利食い優先の展開!上昇局面での逆張りに妙味?
米S&Pケース・シラー住宅価格指数が事前予想を上回り、NYダウは好調な滑り出しを見せたものの、その後、米7月消費者信頼感指数が予想を下回り、米主要株価が反落するなど米経済の不透明感を物語っている。消費者信頼感指数の悪化要因は、米雇用情勢の改善が危機として進まないことを表しているが、米国GDPの7割を占めていると言われる個人消費の落ち込み懸念がある以上、米景気の2番底懸念を払拭するまでには至っておらず、ドルの重石にもなっている。一方、欧州金融機関に対するストレステストの結果も徐々に沈静化の方向にあり、市場は手掛かり難を理由に、各通貨共にポジション調整を余儀なくされているが、昨日発表されたUBSやドイツ銀行決算が好調であり、また、独8月GFK消費者信頼感指数が予想を上回ったことを受けて、ユーロドルは一時1.30台半ばを窺う動きを見せているが、市場のリスク回避志向は根強く、利益確定売りに圧されて、再び1.3000台が重石になっている。総じて、EUストレステストが不十分との見方が顕在化する中、市場のコンセンサスは一旦ポジションを解消する動きが早まっており、予断を許せない外部環境には変わりがない。
他方、IMM通貨先物においても、円ロングは4万枚台と高水準にあり、円売りを仕掛けやすい状況から判断しても、ドル円の底堅さにも繋がっている。また、過剰であったユーロショート(一時11万枚台)も縮小傾向を強めており、正常値に戻っているが、ユーロの信認性が問われている状況下では、円と同様にユーロ売りも視野に入っていることは否めず、ドル円は87円割れからのロング、そして、ユーロドルは1.300台半ば以上からのショートに妙味が生じていると思われる。同時に、豪ドルも急速に買われており、現状では豪ドル0.900台が重石になっているが、統計的には上昇基調を速めた時には下落リスクが少ないだけに、下落局面では押し目買いに妙味が生じている。