不安定な株価動向次第!円売りに安ど感?
EUストレステストに対する期待感が高まる中、ユーロドルは1.3000台を回復したものの、スペイン、アイルランドの国債入札は順調に消化されたものの、アイルランドの格付け引き下げやハンガリーの財政再建に向けたIMFとの協議が中断を嫌気して、欧州株式市場が下げに転じたことをきっかけに、一時1.28台半ば割れまで下落したが、利益確定売りが一巡後には、IMF側から「欧州大手金融機関は全て盤石で、激震に耐えられることが判明する」と言及し、ユーロドルが再び買い戻されている。また、EU当局者もストレステストは金融機関の財務内容の健全化を狙ったものであり、金融市場の不安定化にするものではないとの認識が重要と述べたこともユーロの支援材料になっている。
一方、ドル円はNY株式市場の反転に伴い底堅い動きを見せているが、昨日、英米で報じられているように、ドル円85円前後では日銀の介入操作や金融緩和が対象になりつつあるだけに、市場関係者によるリスク回避の円買い需要は大幅に後退している。また、豪ドルや利上げされたカナダドルにも機関投資家など買い需要は根強く、市場心理も円キャリートレードを踏まえて、ドル円相場の下支えになっている。とは言え、実需の売りや利益確定売りが88円台以降には控えている以上、あくまでも段階的な上昇局面として捉える事が賢明であり、当面、ドル円は86.00〜88円のレンジ相場で売買を模索することが得策であろう。
他方、米住宅指標は住宅着工件数が住宅控除打ち切りの影響から8ヶ月ぶりの低水準となったが、住宅建設許可件数は事前予想を上回り、まだら模様の環境は否めないが、米株式市場ではゴールドマン・サックスの決算は冴えなかったが、本日のバーナンキFRB議長の議会証言での追加緩和策への期待感から、NYダウは堅調に推移している。