ドル売り・円売り加速中!利食い局面も接近中?
市場ではインテルの決算発表に注目する中、米欧株式市場が堅調に推移し、リスク許容度の高まりから、ドル売り・円売りへと傾斜していたが、インテルの好決算が期待以上の内容を受けて、時間外取引においても、前日比7.1%以上上昇している。インテルの好決算は他のIT企業の決算にも波及する可能性が高いため、米企業の業績見通しと株高を背景にして、リスク許容度の強さから、ドル売り・円売り志向が定着する可能性が強まるだろう。しかしながら、6月の中盤以降、ISM製造業並びに非製造業、そして、雇用統計などの米経済指標が軒並み予想を下回っているため、インテルの好決算のみでは信頼性に乏しく、更なる上昇局面では利益確定売りが早まる可能性が高く、株式市場の動向を注視したポジショニングが問われる。
一方、ギリシャ短期国債の入札が無難に消化されたことを材料に、欧州各国の債務危機をめぐる懸念が後退していることもユーロドルの買い戻しを誘引しており、ユーロドルは5月12日以来の高値水準へと上昇し、クロス円も軒並み強含む展開になっているが、ストレステストには強弱材料が混在しており、加速的な上昇には繋がらないと判断するのが妥当であろう。それ故に、ドル円及び他の通貨も利食いの展開には要注意であり、適宜な戻り売り(利益確定売り)を組み入れることが得策であろう。
他方、豪ドルやカナダドルなどの資源国通貨も原油価格の反発により、上値を追う展開が予想されるため、早くも機関投資家や投信ファンドなどが設定水準を切り上げる可能性も指摘されているが、他の通貨と同様に、利食い局面を迎えており、豪ドル円などは80円前後の節目ではポジション解消売りを優先することが賢明であろう。