ストレステスト好感のユーロドル買い!曖昧な審査基準では売り圧力健在?
欧州金融機関を対象として、欧州銀行監督者委員会(CEBS)がストレステスト(健全性審査)は91行を対象に実施する旨を発表、ストレステストは銀行ごとの結果を23日に公表するとしている。また、ストレステストでギリシャ国債を評価する際の割引率は17%、スペインについては3%が適用されるなど具体的な内容が報じられたことから、ユーロ圏に対する不透明感が弱まり、リスク許容度が高まりからユーロドル及び他の通貨も対ドルに対して強含んでいる。ただし、ストレステストの査定基準の曖昧さが問題視されていることを踏まえると、ユーロドルの上昇は限定的と見なすのが妥当であろう。
商品市況においても、原油及び金が反発する中、NYダウは取引開始から上げ足を速め、終盤にかけて、上げ幅を拡大、一週間ぶりに1万ドル台を回復し、前日比274ドル高で引けているが、住宅及び雇用不安が残る中、利食い優先の展開が控えており、NYダウ1万ドル維持には更なる好材料が必要との見方が少なくない。
一方、ステートストリート(米信託銀行)が米大手金融機関と好業績見通しを発表したことから、来週に控えている米企業決算や米大手金融機関の好決算に期待が集まっており、米経済に対する悲観的な見方は後退気味であるが、為替及び株式市場共に、リスク許容度の浮き沈みに翻弄されており、予断を許せない状況には変わりがない。
他方、ドル円相場は円高レベルで推移している関係上、株安に対しては反応薄であるが、株高に対しては、敏感に反応する傾向が強く、当面、株高基調を好感し、円売りが助長される可能性が高いが、88円台ではポジション調整局面でもあり、加速的な上昇には繋がらないが、反面、機関投資家や投信ファンドの動向次第ではクロス円を主体に円売り圧力が増す可能性は捨てきれない状況にある。
戦略的には、ドル円は88円台の実需と利食い売りが一巡するまでは上昇は限定的と判断するが、リスク軽減ならば、88円台半ば前後からナンピン体勢で臨むことを勧める。一方、買いは87円割れが遠のいた以上、87円台半ば割れから押し目買いを勧める。そして、ユーロドルはショートポジションを解消する動きが加わり、底堅い状況にあるが、ドル円と同様に、1.27台前後の売りを一掃させるまでのパワーは感じられないが、ストップロス狙いの買いに注意して、1.27台以上からナンピン売り姿勢で臨むことを勧める。
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