ユーロ離れ→米ドル離れ!いずれは円離れ?
昨日は米国休場の影響から、相場全体は小動きに終始しているが、米景気回復ペースの鈍化や景気2番底懸念が先行する中、米債券利回りの低下を背景に相対的に米ドル売り優勢の展開になっている。
ドル円は一時87円割れを試す展開となり、年初来安値を更新しているが、米国の雇用情勢不安や住宅関連指標の悪化を受けて、NYダウは7営業日連続で下落し、3営業日連続で年初来安値を更新しており、リスク回避的な円買い志向が強まっている。
また、中国政府が人民元改革に重い腰を上げている矢先であるが、中国は具体的な運用比率は公開していないものの、今年度から急ピッチに外貨準備の運用先を日本国債に拡大していることが報じられている。既に中国の外貨準備高は2兆5千億ドルに膨れ上がっている状況下では、ドルの外貨準備高比率の減少に繋がる可能性が高い。同時に、中国当局は外貨準備高の多様化を図り、リーマンショック以来、ユーロドル比率を高めていた経緯があるが、ユーロ危機が本格化して以来、ユーロドル債購入を控えざるを得ない状況となっており、消去的な円買い需要が拡大する可能性は捨てきれないだろう。
ただし、中国の購入が短期債に集中しており、デフレ経済化にある日本国債購入は一時的な回避志向の現象とも言えるため、加速的な円高には繋がらないだろう。
一方、ユーロ圏では欧州PIIGS諸国を巡る過剰な信用不安、そして、金融機関の資金繰りに対して、過度の不安は沈静化しているが、ユーロドルの上昇局面では利食いとポジション縮小の動きは健在であり、ユーロドル1.25台が重石になっている。