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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

豪ドル悩ましい展開!リスク回避売り&自律反発?

米国経済に不透明感が先行する中、株式市場は連日下げ幅を拡大している。格付け会社ムーディーズがスペインの成長見通しの悪化、政府の財政問題、資金調達コストの上昇などが背景にスペインのAAA格付けを引き下げ方向で見直す方向で検討、また、6月の米ADP雇用者数は前月比1.3万人増と市場予想6.0万人増を下回り、明日に控える米雇用統計の更なる悪化懸念が台頭しており、株式市場の重石になっている。
一方、リスク回避の動きは止まらず、米長期債利回りが更に低下すると共に、金価格が上昇と典型的なリスク回避志向が優先されている。また、リスクに敏感とされる資源国通貨、豪ドルやカナダドルにも決算期をむかえているヘッジファンドなどの利益確定売りが集中するなど、外部環境の悪さが相場全体を押し下げている。
他方、ECBによる1年物資金供給オペの期落ちを控え、欧州系金融機関の資金調達難が懸念されたが、3ヶ月物オペの応札総額は事前予想を下回ったことを受けて、欧州系銀行の資金調達に対する懸念が後退し、一時ユーロを買い戻す動きも見られたが、あくまでもポジション調整買いの域を脱しておらず、1.23前後から失速している。しかしながら、ユーロ回避の受け皿でもあるユーロスイス及びユーロポンド売りにも一服感が生じており、ユーロドルは1.2150〜1.2350のレンジ相場を形成しつつある。
早朝に発表された日銀短観では、6月大企業製造業業況判断はプラス1(事前予想−4)と15ポイント改善され、2年ぶりにプラスに転じ、同時に9月大企業製造業先行きもプラス3(0)と改善、非製造業業況判断は依然として、マイナス圏にあるが、前回よりは9ポイント改善されたことを受けて、株式市場が下げ渋りの様相を見せているため、ドル円相場を含めて、円買い圧力は若干後退している。いずれにしても、市場の関心はリスク回避と明日の米雇用統計に集中しており、当面、動意薄の展開が予想されるだけに、相場の大きな動きを待ってから逆張り志向を強めることが賢明であろう。
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●2010年6月収支結果 プラス+¥347,000
通貨別    ±プラスマイナス   前日比
ドル円   −¥70,000      
ユーロ円  +¥92,500      +¥40,000
ユーロドル +¥127,000(+$1,175)
豪ドル円  +¥197,500      +¥2,500
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●過去の月別収支結果●(2008年11月~2010年06月)
2010年06月 +¥347,000
2010年05月 +¥379,300
2010年04月 +¥140,200
2010年03月 −¥12,200
2010年02月 +¥130,100
2010年01月 +¥166,500
2009年12月 −¥192,000
2009年11月 +¥514,300
2009年10月 −¥63,500
2009年09月 +¥18,600
2009年08月 +¥498,300
2009年07月 +¥280,700
2009年06月 +¥520,300
2009年05月 +¥185,915
2009年04月 +¥214,550
2009年03月 +¥539,500
2009年02月 +¥664,000
2009年01月 +¥352,300
2008年12月 +¥412,000
2008年11月 +¥658,450
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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