狭いレンジ相場継続!焦らず・じっくり待機策?
新規材料が乏しい中、NYダウの下落を引きずる形で、アジア並びに欧州株も軟調に推移している。市場のコンセンサスはドル円が90円割れの展開にでもならない限り、株安と言いながらも、円買い志向が減退気味であり、総じて、動きづらい相場環境に直面している。
ユーロ圏の悪材料を挙げればキリがないが、格付け会社が相次いで、欧州金融機関の業績悪化を背景に格下げ段階にある以上、ユーロの上昇局面では利食い優先の動きが強まる可能性があり、同時に、ユーロドルの信認性低下が顕在化している以上、たとえ、ユーロショートが一時的に改善され、ユーロ反発局面を迎えたとしても、ポジション調整による戻り売りに傾斜せざるを得ない。
強いてユーロドルの買い材料を挙げれば、先に発表されたストレステストの結果が良好に終わることが最低条件であろうが、また、スペイン政府が来月償還を迎える240億ユーロ前後の国債の借り換え懸念はないとし、支援要請する必要はないと言及している以上、ギリシャを除く、スペインやポルトガルなどの重債務国はEU・IMF緊急支援枠の範囲で収まる可能性は高いが、あくまでも恒常的な財政削減計画が軌道に乗らない限りは、ユーロ売りが更に加速する可能性は否定できないだろう。
一方、ユーロ圏及び日本においても、昨日、英政権が発表した付加価値税(消費税)の引上げ、公務員給与削減、そして、歳出削減などの緊急対策が不可欠であろうが、裏を返せば、国民負担増に直結する対策だけに、世界経済の停滞を更に強める可能性もあるだろう。いずれにしても、悲観的な見方が大勢を占めているため、どうしても、リスク回避の動きに左右させられる展開が余儀なくされており、対応策としては、ポジションの縮小と損切り姿勢を強化すると共に、直近のレンジ幅の中で売買を模索することが賢明であろう。
他方、今晩はFOMC政策金利が控えており、市場は様子見モードにあるが、一連の住宅関連の伸び悩みや雇用情勢の改善が見られない以上、今回のFOMCの注目度は低く、相場への影響は限定的と判断するが、慎重論が先行する事態になれば、ドル売りに傾斜することを視野に入れて臨むことを勧める。