ユーロ不安定な上昇局面!1.2200戻り売り優先?
中国の貿易黒字が前年比49.8%増となり、中国経済が堅調であることが確認され、NYダウが大幅に反発、10,000ドル台を回復したことで市場には安堵感が生じている。反面、中国の最大輸出国であるユーロ圏向けの落ち込みが予想されているため、株式市場は若干、過剰反応している状況であり、日経平均株価が10,000円台を回復するほどの勢いは感じられない。
一方、ECBは政策金利を予想通りに1.0%に据置いたが、トリシェECB総裁は、現在のユーロ政策金利は適正水準にあるとし、9月末まで資金供給と国債購入を継続することを表明し、懸念されていたスペイン3年物国債入札が好調な滑り出しを見せたこともあり、株高を背景にユーロドルを一旦買い戻す動きが早まっている。トリシェECB総裁は今回のユーロ安については触れていないが、ユーロは非常に信頼できる通貨と改めて言及、また、中国側からはEU圏の債務問題を懸念しないとの発言もあり、そして、ドイツ政府のEU・IMF緊急支援枠の機能性が担保されたこともユーロドル上昇要因になっている。
しかしながら、ユーロドル売り材料に事欠かない環境にあるだけに、現段階の株高や中国の貿易収支の推移だけでは市場のリスク許容度の改善と判断するのは早計であり、短期筋によるポジション解消が優先されており、不安定なユーロドル上昇局面と言わざるを得ないだろう。それ故に、今回の上昇は一過性の上昇に終わる可能性も高いが、反面、ユーロドル1.2000割れでは底堅い状況にあると判断し、当面、1.2000〜1.2200のレンジ幅の範疇で戦略性を高めることが賢明であろう。
★ペットチャート閲覧(6月7日作成分)