ドル円&ユーロ戻り売り優先変わらず!ドル円92円VSユーロ1.2000?
NYダウは3日ぶりに反発、バーナンキFRB議長は失業率の低下には時間を要するが、景気の2番底は避けられる見通しを述べ、景気の回復は持続的であることを示唆したことを好感している。反面、金価格が史上最高値を更新しているように、市場のリスク回避概念は根強く、質への逃避が顕著になっている以上、株式市場の上昇も限定的になりつつあるが、総じて、方向感に乏しい状況が続く中、為替市場は株価動向に左右されている展開である。
昨日はユーロのヘッジと見なされているユーロスイスが急落する中、スイス中銀の市場介入観測(スイス売り)が伝わり、瞬間的に1.37台半ば前後から1.3900前後まで急伸したが、市場の流れは変えるまでには至らず、EU圏債務問題を背景にしたユーロの信認性低下を象徴する相場展開である。また、依然として、ユーロドルの上値の重さは払拭できない状況にあるが、EU圏内ではユーロ安容認姿勢の噂が絶えず、EUサイドによる介入観測が現実味を帯びていない以上、市場のコンセンサスはユーロの戻り売りに傾斜せざるを得ない状況である。
他方、本邦サイドでは、野田新財務相の「為替市場を注視する」との発言が伝わり、また、市場の管政権の潜在的な円安概念もあり、現状では円の介入操作が浮上しなくても、相対的な円高レベルを考慮すれば、円売りを仕掛けやすい背景があるだろう。同時に、安全通貨としての円ロングの魅力も失せており、ドル円90円割れの円高懸念は後退している。
他方、ポンドも格付け会社フィッチが、英国が「並外れた規模」の財政面の課題に直面しており、赤字削減を加速させる必要があると報じ、ポンドもユーロスイスと同様に、1.45台から1.43台半ばまで急落する場面があり、おしなべて、為替市場は戻り売り優先の展開に集約されている。