円安論者に過剰な円安期待!一過性の円売り局面?
本日の米雇用統計の改善期待が高まる中、米ISM非製造業景況指数等が予想を下回り、また、ADP雇用統計も5.5万人(予想7.0万人)を下回ったことを受けて、NYダウはリスク回避姿勢が強まり、利益確定売りと共に、マイナスに転じたことからドルは軟調に推移する場面もあったが、ホーニグ・カンサスシティー連銀総裁が米金利の早期利上げを示唆した影響もあり、ドルは反転している。とは言え、レンジ相場の域を脱し得ないのが現状であり、本日の米雇用統計が大幅改善する見通しであるが、依然として、失業率の高止まり懸念、そして、非農業部門雇用者数の大幅増加が予想されているが、結果を見るまでは動きづらい展開になっており、米雇用統計発表までは調整売買主体にならざるを得ないだろう。一方、菅財務相が次期総理大臣として有力視されている中、「円安方向に進むことが望ましい」と発言した経緯から円安論者として認識されており、現状では積極的な円買い志向は徐々に後退している反面、本邦企業間においては、ユーロ危機が顕在化しており、相対的にドルと円が潜在的な受け皿となっている以上、過度な円安には懐疑的との見方が少なくない。ただし、管直人総理大臣誕生ともなれば、株式市場において新政権期待の「ご祝儀買い」が発生し、円安志向が強まる可能性があり、同時に、投機筋によるストップロスやオプショントリガー狙いから、一旦は93円台に届く可能性が高いだろう。しかし、その後は実需の売りニーズがドル円93円前後に集約されている以上、戻り売り優先の展開が予想されるだけに、ドル円の上昇は限定的と判断し、ドル円93円台以上からのロングは敬遠することを勧める。