ユーロ戻り売り健在!G20控え、過度な売買には逆張り待機?
ロンドン、NY市場休場の中、ドル円は91円、ユーロドル1.23割れ前後で小康状態が続いている。市場では格付け機関フィッチによるスペイン格下げ
(AAA→AA+)を改めて意識される中、スペイン債が下落、ドイツ債との利回り格差は最大を記録している。EU圏における緊縮財政による経済停滞懸念、ユーロ国債利回りの高止まりと共に、欧州系金融機関の損失拡大と共に財務内容悪化など指摘されおり、ユーロの戻り売りが顕在化している。
今週末のG20を控えて、市場はユーロ経済に注目する中、トリシェECB総裁がユーロは価値を維持しており、信頼できる通貨との認識を示し、EU圏諸国の財政規律の欠如をECBはこれ以上容認しないと表明したものの、ユーロ圏各国が財政規律遵守できるかはかなり懐疑的である。厳格なルールを押し付けることによって、EU圏内の温度差拡大と共に、足並みの乱れが強まる可能性も指摘されている。
一方、ウェーバー独連銀総裁がユーロ圏は秩序ある破綻のメカニズムについて検討すべきであり、一応、スペイン・ポルトガル・ギリシャがとった措置を歓迎してはいるが、ユーロの通貨統合のファンダメンタルズを支援する必要性を強調、EUは緊縮財政プログラムの実施をチェックするためにより厳しいメカニズムを必要と暗にストレステストの実施、すなわち、当局が厳格な経済見通しを基に、今後の不良債権・資産からの損失発生額を試算し、資本の健全性を確保するために必要な資本調達額の必要性をほのめかしている。
いずれにしても、EU圏財政削減計画が明確に実行されない限り、ユーロドルの迷走は避けられない情勢にあるが、ユーロ圏では景気回復には自国通貨安のユーロ安容認姿勢が浮上しており、反面、米国は輸出倍増計画を目指し、また、日本はデフレ克服と円高阻止の範疇にあり、相場の難易度が高まっているため、一方的な売り買いが生じた際には逆張り志向に期待が集まる。