ユーロ介入操作は時期尚早!1.200割れから警戒要?
特段の材料のない中、ECBやSNB(スイス国立銀行)の介入操作の憶測が先行、ユーロドルは1.22前後から1.24台まで急反発している。
先のドイツ政府の空売り規制強化を受け、ユーロドル売りが加速、また、メルケル独首相がユーロは危機にあると発言したことを嫌気して、ユーロドルは更に下げ足を速め、ユーロショートが拡大傾向にあった直後だけに、市場は介入操作の臆測で敏感に反応、ポジション買い戻しが優先された恰好であり、段階的にストップロス買いを誘引している。
一方、ギリシャがEU離脱を検討しているとの噂も浮上、ユーロ圏を巡る信用不安を背景にVIX恐怖指数は一時38台まで上昇するなど、リスク回避志向は根強く、一喜一憂させられる難解な相場展開に陥っている。
欧州株式市場もリスク回避志向から全面安の展開となり、NYダウは一時190ドルほど下落したが、その後、ユーロドルの想定外の反発もあり、下げ幅を取り戻してはいるが、ユーロ経済の景気低迷を背景に、株式市場は軟調地合いを強めている。相対的に、過度なユーロドル安を警戒する動きから、欧州当局の介入操作の臆測で買い戻されてはいるが、先のEU財務相会合において、オランダ・ベルギー・オーストリアなどユーロ加盟国が、ユーロ安容認の姿勢を示唆している以上、現段階での介入操作には現実味は薄いと言わざるを得ないだろう。
しかしながら、1.20割れの段階ともなれば、ユーロの存在意義が問われ、信認性低下は避けられず、世界経済「貿易バランス」を考慮すれば、日米欧による協調介入操作を考慮する必要があるかもしれない。
いずれにしても、今回のユーロドルの反動買いにより、過剰に膨らんだユーロショートが一掃される状況ではなく、逆に今回の買い戻しによって、ユーロの売り余地が増した可能性があると判断し、ユーロドル1.24以上からのロングは敬遠し、引き続き戻り売り志向で臨むことが賢明であろう。