ユーロドル1.25割れ時間の問題も!損失覚悟の押し目買い一考?
ギリシャ危機が拡大する中の、スペイン及びポルトガルが緊縮財政プランを発表、ポルトガルは追加措置として、法人税を2.5%引き上げ、公共事業の凍結、そして、2011年には財政赤字を4.6%へと削減するなど相次ぐ緊縮財政プランを発表しているが、ユーロの信認性を取り戻すまでには至らず、逆に欧州諸国の財政緊縮措置によってユーロ経済成長が抑制されるのではないかとの観測が広がっており、ユーロドルは節目である1.25に向けて下げ基調を強めている。
昨日のEU圏GDPの改善やEU各国中央銀行による国債購入、EU・IMFによる55億ユーロのギリシャ緊急支援実施を背景にユーロドルは一時持ち直したものの、EU・IMFによる7500億ユーロの緊急支援枠効果にも懐疑的な見方か浸透しているため、投機筋のポジション解消志向が早まっており、寸刻みのトレードが主体になっている。
一方、ギリシャはEU・IMF緊急支援と引き換えに緊縮財政を提示したものの、ベルギー中銀総裁ギリシャは「信頼性」という問題を抱えており、ギリシャ当局の隠ぺい工作まで指摘、他の財政赤字諸国とはギリシャとは違うと言及するなどユーロドルに対する警戒ムードを強めている。また、ギリシャに続き、ポルトガル・スペイン労組がゼネストを計画しており、ユーロ経済の停滞は必至とも言える情勢である。
他方、ポンドは貿易赤字が75億ポンド超の大幅赤字となったことを受けて、ユーロドル安と共に、下げ基調を強めている。概ね新政権に期待する中、キング英中銀総裁がEU圏への輸出低迷で、英経済成長への下向きリスクが強まったと発言したこともポンドの売り材料となっているが、米格付け機関が英国債の格下げを検討するなど、欧州圏を取り巻く環境が更に悪化している。
しかしながら、ユーロドル1.2500、そして、ポンド1.4500はレベル的には過小評価の域に位置しており、また、ユーロショート及びポンドショートが極限近くまで膨らんでいる状況を察すると、ストップロスやオプショントリガー狙いが達成されれば、急反発する可能性は捨てきれないだろう。
戦略的には、ドル円はリスク回避志向により、上値の重い展開が予想されるが、92円前後から押し目買いと93円台の売りで待機策を勧める。そして、ユーロドルは1.25割れが前提になるが、市場心理が揺れ動く中、投機筋としても、仕掛けづらい状況にあるため、損失覚悟で1.2470〜80にストップロスを配置して、1.25前後から押し目買い勧める。一方、売りは1.26台以上で模索することを勧める。