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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円・ユーロドル・ポンド上値重し!戻り売りスタンス継続?

EU財務相理事会が決定した最大7500億ユーロの「欧州安定化メカニズム」は不十分との見方が台頭、欧州諸国の財政再建策を見極めたいとの見方がマーケットを席巻している。市場はリスク選考型の相場と化している関係上、ユーロは対主要通貨に対して軟調な動きで終始しているが、市場はNY金先物が1オンス=1230.80ドルと過去最高値を更新するなど「質への逃避」が顕著になっている。一方、EU・IMF緊急支援策以降はギリシャの債券利回りは下降局面にあるが、他のEU圏の債券利回りは高止まり傾向を見せており、欧州金融機関は国債下落による含み損が拡大、相対的に欧州金融システム不安が高まりつつある。
これらを背景に、市場参加者からもユーロドル1.25ドル割れが視野にあるとの見方が大勢を占めつつあり、中期的にはユーロドルロングは自重局面にあると言えるだろう。ただし、世界経済の混乱を防ぐためには、今後も日米欧の協調姿勢が強まる可能性が高く、突発的な要人発言や支援対策が表面化する可能性は否定できず、下値局面ではユーロの反発も一考しなければならないだろう。
いずれにしても、波乱含みの展開であり、現状では、ユーロショートを基準に、1.27台では戻り売りスタンスで臨むことがリスクは最小限に留めるであろう。
一方、英国ではキャメロン首相誕生によって、英国の政局不安は後退、やや楽観的見方が先行しているが、連立政権樹立後の内閣政策不一致などを踏まえて、解散も視野に入るなど、一過性のポンド買いと判断するが、EU圏の相次ぐ債務危機で市場心理の脆弱性が指摘されている以上、今後もユーロドルに連動することが予想されるだけに、ユーロドルと同様に戻り局面1.500台では恰好の売り場になる可能性が高いだろう。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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