ユーロ売り材料満載だが!過小評価の段階に突入?
燻り続けるギリシャ債務問題を背景にして、売買材料が多岐に渡っている関係上、総じて、市場全般は方向感に欠ける展開を見せているが、昨日のNYダウは優良企業の好決算にも関わらず、利益確定売りが重なり、小幅な上昇にとどまっている。相対的に各市場はリスク回避志向が根強い中、利益確定局面を迎えている。ドル円は93円前後で底堅い動きを見せているが、株価と同様に利益確定売りと実需売りに圧されて狭いレンジ幅の攻防を余儀なくされている。
一方、EU、IMF及びECBはギリシャ支援策協議をスタートさせているが、具体的支援策は5月15日までは公表されない見通しであり、当初の10日間程度の協議期間延長を嫌気して、ユーロ売りが優先されたが、直近の下限レベル1.33台半ば近くまで達したこともあり、利食い優先のユーロ買いが散見されるなど、本協議の見通しに対しては期待感と不安感が入り混じり、積極的なポジショニングが取りづらい状況に陥っている。
しかしながら、ギリシャのデフォル懸念が先行する中、昨日はギリシャ国債利回りが8.4%近辺まで急上昇し、ドイツ債との利回り格差が5%を越えるなど、資金調達コストの高止まり懸念が増幅されており、一部のユーロ加盟国では財政負担を危惧する中、負の連鎖を避けるためには、ギリシャのユーロ離脱も視野に協議されるとの見方も浮上している。そして、今後も利回りの上昇が続けば、ギリシャの財政再建計画は頓挫することは明白であり、また、ギリシャの資金調達のメドが立たない状況下では、EU・ECB・IMFの支援金額(450億ユーロ)では資金不足とも言われるなど、ユーロの売り材料には事欠かない状況にある。反面、これだけの悪材料があるにも関わらず、ユーロの下落幅が小康状態にあり、ギリシャ問題だけで、更に、ユーロショートを積み上げる難しさがあるだろう?