米雇用情勢に不安残すも!ユーロ買い&円買いには希薄材料?
米ADP雇用統計が予想外に悪い結果となり、一時リスク回避の動きが強まり、ドルは対主要通貨で弱含んでいる。ADP統計自体は正規雇用を含まない数字とは言え、明日の米雇用統計に対する期待感が削がれた恰好ではあり、市場の見方は楽観論からやや悲観論に傾斜しているため、ドルロングの調整売りが優先されている。
今朝、発表された日銀短観は事前予想通り、大企業製造業及び非製造業業況判断は前回より改善、設備投資も下げ止まりの様相を見せており、市場は概ね好感しているものの、既に織り込み済みとの認識もあり、株および為替市場の反応は限定的である。強いてあげるならば、円安が進行中であるが、企業の為替想定レトがドル円91円であり、今後も円安基調が景況感を下支えする材料とみなされ、株高円安の構図が描き易い状況にある。遅かれ早かれ、株価期待が高まれば、ドル円95円が意識させられる展開になるだろうが、反面、93円台以上では随時利益確定売りが優先され、同時に輸出予約が顕在化する可能性があるため、あくまでも段階的な上昇に止まる公算が高く、大局的には、ドル円相場は90〜95円のレンジで推移すると判断するのが妥当であろう。
一方、ユーロ圏ではギリシャ政府の国債発行は無事に終了したことを受けて、ユーロドルは底堅い状況にあるが、ギリシャ国債と独国債の利回り格差は縮小しておらず、また、格付け会社がギリシャの銀行の格下げを決定しており、ギリシャ政府の資金調達難が解消されない以上、ユーロドルの上昇幅は限定的と言わざるを得ないだろう。
戦略的には、新年度と米雇用統計を踏まえて、積極的にポジションを構築できる状況ではないが、ドル円が91円台から段階的にストップロス優先の展開になっている関係上、安易にドル円ショートを勧められないが、ナンピン売り志向で臨む場合ならば、ある程度の損失覚悟で95円までの継続性が求められる。本日はポジション調整主体の展開であるが、92円台半ばから押し目買いと94円前後からナンピン売りを勧める。そして、ユーロドルは1.35台からは買い材料は乏しいが、米ドル主導の展開と判断し、1.34前後からの押し目買いと1.36前後の売りで待機策を勧める。