ドル円安定路線維持!ユーロ脱線模様継続中?
米3月フィラデルフィア連銀景況指数の改善や米長期金利の上昇に伴い、FRBによる公定歩合の引き上げ観測が浮上、ドル円は90円台後半へと上昇する場面があったが、時期尚早との見方と共に、FFレートへの影響が限定的と見なされ、値を取り戻しながら、ドル円相場は90〜91円のレンジ相場を継続している。一方、週初のEU財務相会議でギリシア支援の枠組みが合意されたとの見方が先行し、一時ユーロドルは1.38ドルに迫る勢いであったが、その後、ユーロ圏ではギリシア支援に関して意見対立が浮上、鍵を握ると思われるメルケル独首相はギリシアの財政問題を解決するにはIMF救済が唯一の道になるかもしれないと述べ、そして、オランダも議会の半数がギリシア金融支援に反対しており、他のユーロ諸国も追従する構えを見せている。
市場はギリシア、EU、IMFなどの一言一句に翻弄されている状況であるが、ある意味では、ギリシアの自助努力の限界を象徴しており、今後のEU及びIMFの動向次第でユーロドルの方向性を確認する相場環境にあり、当面は1.35〜1.38のレンジ相場の範疇で臨機応変に売買志向を高めることが得策であろう。
補足的になるが、トリシェECB総裁やサルコジ仏大統領は、IMFの支援を得ることにはEUが地域の危機を自力で解決できないことを示すと言及しており、EUにとっても、IMF側からのギリシア支援策を受け入れれば、EU母体の信認性の問題に波及するだけに、ギリシア支援には何らかの協力態勢を備える必要があるだろう。ギリシア政府も自助努力を明言しているが、ギリシア国民の非難の的であり、一向に進展していないのが現状であり、最終的には4月上旬にIMFに財政支援を要請する可能性があると報じられているが、いずれにしても、何らかの具体的な対策を見出させねばならないが、ギリシア政府の孤立状態を踏まえると、ギリシアのユーロ離脱も捨てきれないのかもしれない。
戦略的には、本邦の3連休を控えて、ドル円は調整色が更に強まり、90〜91円のレンジ相場が継続される可能性が高いが、引き続き90円割れから押し目買いと91円台の売りで待機することを勧める。そして、ユーロドルは今回のギリシア問題で売り優勢の展開ではあるが、一旦、縮小したと思われるユーロショートが再度積みあがっている可能性が高く、現状レベル1.36割れからの過度なユーロショートは禁物であろう。1.35前後の買いと1.37台の売りで対処することを勧める。