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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円91円&ユーロドル1.37を試す展開!

米国株が3日続伸、NY市場序盤では中国経済の過熱感と共に、中国物価指数上昇を受けて、金融引き締め策構想が視野に入っており、株価への影響が懸念され、NYダウはマイナス圏でスタートしたが、シティグループの株価上昇などが伴い、金融株中心にプラス圏で引けている。
市場は世界経済のリード役である中国経済の動向に注目を寄せており、中国当局がソフトランディングに向けて、近々にも3回目の預金準備率の引き上げを実施する可能性が高まっているが、為替及び株式市場への影響も計り知れないだけに、市場のコンセンサスルは引き続き戻り売買に傾斜せざるを得ないだろう。
一方、新規失業保険申請件数は事前予想通りに高水準ではあるが、同時刻に発表された米1月貿易収支は市場予想より強い内容であり、リスク回避姿勢が弱冠後退したため、ドルは対主要通貨で弱含んでいる。また、来週行われる日銀政策決定会合では、追加の金融緩和策が協議されるとの見方が広まり、株価への好影響が期待されている中、相対的にスク回避姿勢が後退していることもドル売り・円売りへ傾斜している。
EU圏の財政赤字国に対する格下げ論争で、ユーロドルは下値圧力がかかっているが、現状では、特段の材料はない中、EMF創設が優先されており、ギリシャの財政危機が収拾に向かうとの思惑が浮上、ユーロは買い戻しの段階にあり、対主要通貨で底堅く推移しているが、ギリシャ政府の財政赤字策に対し、7割近い国民は不満を示しており、赤字削減計画が頓挫するとの見方は払しょくされておらず、これからの削減計画も不透明な点が多々ある以上、1.37台では利食いと清算局面と判断するのが妥当であり、加速的な上昇は限定的と見るのが正解であろう。昨日はサルコジ仏大統領が「弱いユーロを支持しない」との報道もユーロ買いの材料となった模様ではあるが、従来、フランス当局は貿易不均衡を理由にユーロ安を掲げており、今回の仏大統領の発言を疑問視する見方が少なくない。
戦略的には、ドル円は追加金融政策の検討が評価されており、NYダウに引き続日経平均株価が大幅に上昇している以上、ドル円の底堅さに繋がっており、遅かれ早かれ91円台を試す展開である。ドル円90円割れから押し目買いと91円台の売りで臨むことを勧める。そして、ユーロドルは前述したように、1.37台が節目となっており、当面、1.37台30〜40にストップロスを配置して、1.3700前後の売りを勧める。一方、買いは1.36割れから少なめの押し目買いを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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