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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロドル戻り売りの好機迫る!荒れ相場にはストップロスの配置点が重要?

ギリシャ首相が財政再建に向けて、ギリシャ政府が48億ユーロの赤字削減措置を本日3日に公表するとの報道が材料視されて、急速にユーロ買い戻しの動きが強まり、ユーロドル主導でドル安に振れている。EU委員会ではギリシャの再建計画は未だに不十分と見なしており、更なる追加措置を求めているのが現状であるが、結果的には、独仏政府によるギリシャ救済期待が高まるなど信用不安は弱冠緩和されており、また、先週のシカゴIMM通貨先物のユーロショートの行き過ぎを背景として、ユーロの反動買いが優先されている環境にある。ユーロドルは1.34台半ば割れから1.36台まで急速に回復しているが、1.35〜1.37のレンジ幅の許容範囲であり、1.36台半ば以上からの深追いは自重すべきであろう。
いずれにしても、ストップロス売買が上へ下へと多発している状況を鑑みると、今後もギリシャ問題を巡って、一喜一憂させられる相場展開が予想される。現状では市場心理の強弱が市場を大きく左右する相場展開に陥っており、益々投機筋
の仕掛けやすい局面になっているため、安易なストップロスでは機能しない状態にあり、逆にストップロスの餌食になる可能性があり、自重気味なポジショニングで対応することが得策であろう。
補足的になるが、荒れ相場の対策としては、レンジ幅を拡大した上で、ポジションの縮小と損切りポイントを通常より余裕を持つ必要があり、当面、どちらにでも動けるようにポジションを常にスクエアにすることが為替相場の原則である。
一方、本日は週末の米雇用統計の前哨戦である米2月ADP全国雇用者数が発表されるが、一連の雇用情勢を見る限り、下振れ懸念が拡大している反面、米2月ISM非製造業景況指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)に関しては改善予想が先行するなど一筋縄ではいかない相場であるが、相場全体に不透明感が蔓延している以上、基本的には市場の反応を見てから始動することが賢明であろう。
戦略的には、ドル円は89円台では上値の重い展開であるが、88円台半ば割れでは執拗な実需買いと利食い局面にあり、下値限定と判断し、同レベルから押し目買いを勧める。一方、実需とポジション調整売りが89円台前半から散見されているが、88円台では積極的な売り志向は減退しており、89円台半ば前後で待機策を勧める。そして、ユーロドルは損切り買いも随所に散見され、底堅い状況にあるが、調整が一巡すれば、再び売り圧力が増す可能性があり、1.36台半ば以上からナンピン売り志向で臨むことを勧める。買いは1.35台半ば割れから模索することを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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