ドル円90円VSユーロドル1.3500にらみ合い!戻り売買優先すべし?
NYダウは注目のバーナンキFRB議長の発言で事実上のゼロ金利政策継続が必要との見解を好感し、金融株を中心に3日ぶりに反発しており、加速的な円買いが一巡したこともあり、ドル円90円割れでは底堅い動きを見せている。
サプライズ的な米公定歩合引上げ後には、一時早期政策金利引上げが期待されたが、その後、各連銀総裁から公定歩合引上げは政策金利引上げに連動しないとの発言が相次ぎ、米金利先高観測は大幅に後退しているが、バーナンキFRB議長は議会証言において、米景気回復は初期段階であり、景気対策終了後に消費者や企業の需要を喚起するためには、異例な低金利を維持する必要があるとの見解を
述べ、改めて低金利政策の方針を打ち出している。
一方、バーナンキFRB議長は、ある時点で金融引き締めを開始すべきとしているが、先の公定歩合の引き上げは銀行のFRB依存低下が狙いとし、金融政策の変更を示唆していない旨を発表。また、労働市場は依然としてかなり弱く、最近の兆候は悪化の緩和を促す程度であり、米経済の活性化には相当の時間を要する意図が表面化している。昨日発表された米1月新築住宅販売件数も当初、8000ドルの税金控除が延長されたことを受けて、改善予想が先行していたが、消費者関連指数の伸び悩みが示すように、前月比から大幅に悪化、住宅関連の回復遅れも米金融引き締めの時期を後退させている。
いずれにしても、バーナンキFRB議長議会証言は予想範囲内ではあるが、低金利の長期化が再確認されてことで、ドル買いの勢いは徐々に後退すると見るのが妥当であり、当面、レンジ取引を優先して臨むことが得策であろう。
ユーロドルは、EU圏ソブリン・リスクを抱えながら、昨日は米新築住宅販売件数が予想以上に悪化した影響から、1.36台まで急上昇したが、米格付け会社S&Pギリシャの格付けを1ヶ月以内に1〜2段階下げるとの報道を受けて、1.35台前半まで売られているように、上値の重さは否定できない以上、戻り売りスタンスで臨むことが賢明であろう。
戦略的にはドル円は90円割れを再三トライしているが、戻りが早く、方向感に欠ける中、90円前後のレンジ相場を形成している。繰り返しになるが、無理をせずに、89円台半ば前後から押し目買いと90円台半ば以上からナンピン売りで対応することを勧める。そして、ユーロドルは上値の重さは相変わらずであるが、同時に1.35割れでは随時ポジション調整買いや新規買いが散見されており、1.35割れから少なめの押し目買いを勧める。一方、売りは昨日と高値圏でもある1.36台から模索することを勧める。