ユーロドル戻り売りに焦点!1.35割れも視野に?
EU首脳会議おいて、EUがギリシャ支援で基本的に合意したものの、財政計画には具体的案が織り込まれず、市場は悲観的な見方が強まり、同時に、財政難を抱える他のユーロ加盟国に対する支援策にも不透明感が拡大している。
一方、リスク許容度の高まりから、NYダウは100ドル超の反発を見せており、日経平均株価は再び10,000円を回復しているが、懐疑的な見方が先行しており、株高円安と言えるような構図は描きにくい状況にある。いずれにしても、ユーロドルが不安視されている段階では消去的に円買い需要が増す可能性を残しているが、同時に本邦輸出企業が90円台では売り姿勢を強めている関係上、ドル円の上値の重さを認識させられる状況にある。しかしながら、相対的に円が過大評価の域にあることも否めず、ドル円が88.50~90.50円のレンジ相場に陥りやすい傾向にある。
ギリシャ大統領は金融支援を一切求めないと豪語している一方、ファンロンパイEU大統領は、EU圏全体の安定化を図る上では、加盟国は断固として必要措置を取ると述べているが、ギリシャ問題が頓挫すれば、財政難にあるスペイン、ポルトガルとEU圏周辺国への支援策に大きく影響を及ぼす可能性がある。
ドイツ、フランスなどの債券国のギリシャ向けの融資比率は低いが、スペイン、ポルトガル、アイルランド、イタリアに対して大量に融資を保有していることから、正常化には程遠い環境にあることは間違いなく、積極的な具体案が表明されない限りはユーロ売りに傾斜せざるを得ないだろう。昨日のユーロドルは1.36ドル割れ寸前まで売られた後、一旦買い戻されてはいるが、戻り局面ではショートに転じることが賢明であろう。
一方、豪ドルは豪1月失業率が予想以上に低下したことを受けて、買いニーズが増しているが、豪準備銀行が追加利上げをする可能性が有力視されており、一部報道ではインフレの高まりを背景として、豪準備銀行が年内に0.75%利上げを実施するとの見方も浮上している。同時に、円キャリートレードとしては魅力的な通貨となっており、豪ドル円の下値は限定的になっている。
本日は緊張感の増す中、ドイツ・ユーロ圏の第4四半期GDP速報値の発表が控えているが、事前予想では前年比では減速見通しとなっており、欧州圏の信用不安拡大になる可能性もあり、ユーロの一段の下げを想定して臨むことが賢明であろう。
戦略的には、ドル円は前述したように、90円台では実需の売りが満遍なく控えており、90円台から引き続きナンピン売りを勧める。一方、買いは89円割れの状況にはないが、89円前後から押し目買いを勧める。そして、ユーロドルは、戻り売りが基本線であり、1.37台半ば前後の売りを勧めるが、買いはストップロスを1.35割れに配置して、1.36割れから少なめの押し目買いで対応することを勧める。