ユーロ戻り限定的!再上昇には逆張り一考?
ギリシャ財政危機の支援に関わる報道で何らかの救済策が講じられるとの思惑から、NYダウが大幅に反発、10,000ドルを回復している。
一部メディアが独政府と一部のEU諸国が市場の沈静化支援のため、ギリシャと他のEU圏諸国に融資保証を実施する可能性があり、ユーロ圏の主要国がギリシャ救済で原則合意したと報じたことを受け、ユーロが大幅に反発したが、その後、独政府報道官が、「ギリシャ支援は何も決定していない」と否定的な見解を示したことを受け、上げ幅を縮小している。
いずれにしても、ギリシャ問題で市場は迷走状態にあることから、相場の難易度を高めており、今後も要人発言や投機筋の仕掛けで一喜一憂する展開が予想されるだけに、積極的にポジションを構築できる環境ではなく、常に少なめのポジションでどちらに対応できる姿勢が必要であろう。
ノボトニー・オーストリア中銀総裁はECBによるギリシャ救済の可能性を否定、ECBはギリシャに介入できないとの見方を示す一方、アルムニア欧州委員がギリシャ問題は深刻なリスクに発展する可能性を指摘するものの、欧州委員会はギリシャの予算計画を支持する方向性を示し、EUにはギリシャ問題に対処する方策がある。そして、IMFへの救済要請は必要ないと豪語し、明日のEU首脳会議は極めて重要と言及している。相対的に、ギリシャ問題に関しては希望的な観測が含まれていることは否めないが、最終的にはギリシャを捨て切るわけにもいかず、EU加盟国の足かせとなっている財政規律を緩和しながら、EU本体が救済措置を講じる見方が大勢を占めている。ただし、EUやECB、そして、ドイツ政府が4000億ドルと言われるギリシャ財政赤字を救済した場合でも、他の南欧諸国への救済支援策は継続されるのかは懐疑的であり、今後もユーロドルが大きく反発した際には逆張りを一考することを勧める。
戦略的には、ドル円は蚊帳の外の状況にあり、小幅なレンジで推移するであろうが、日経平均株価が10,000円を回復しており、依然として、底堅い状況にあり、ドル89円台半ば割れから押し目買いを勧める。一方、売りは90円台では輸出予約が散見されており、90円台からの上昇は限定的と判断し、90円台からナンピン売り志向で臨むことを勧める。そして、ユーロドルは1.38台では利益確定売りが散見されており、ドル円と同様に、1.38台からの上昇は限定的であるが、1.38
台半ば以上で待機策を勧める。買いは1.37前後から押し目買いを勧める。