消去法の円買い!持続性には懐疑的?
市場はオバマ米大統領の新金融規制法案に揺れる中、為替、株価、そして、原油市場をはじめとした商品市況が混迷を極めている。オバマ米大統領が金融業界との対決姿勢を強めていることを受けて、ドル売りに転じている一方、市場では米金融規制法案の影響が懸念され、相対的にリスク回避の動きが強調される可能性が高く、NY株価も1万ドル割れが視野に入っている。
一方、欧州市場では、ギリシャを筆頭にして、財政悪化や信用問題に直面しており、ユーロドルの上値の重さが強調されている。トリシェECB総裁は、ギリシャのように財政統計が不正確な国による通貨同盟(EU加盟)参加を認めるべきではないと示唆しているが、寄せ集めのユーロ経済の脆さを露呈している恰好であり、今後の対応次第では、ユーロドルの下落に拍車をかける可能性も浮上している。
他方、先週の米経済指標は強弱がまちまちであり、売買材料としては希薄であるが、先のオバマ大統領の医療改革案が頓挫しているように、今回の金融規制案も上院で難航することが予想されている。また、今週は27日のFOMC政策金利発表にも関心が寄せられる以上に、28日の米大統領の一般教書演説において、米経済の明確な方針が打ち出されるかどうかに注目が集まっている。
一方、米欧経済の低迷を踏まえた上で、市場は消去法的に安全資産である円買いに傾斜しており、ドル円およびクロス円が上値の重い状況にある。ただし、日本経済のデフレ懸念を背景にして、円買いが加速する状況には至っておらず、過度
な円高期待は禁物であろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年1月24日(日)
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.0800 現状乖離幅0.0709→0.0794
A)100÷127.05=0.7871(B)1÷1.4132=0.7076(A−B=0.0794)
先週の弱めの売りシグナル90.75から下げ足を速めているが、90円割前後ではポジション解消買いが点灯しており、今週は弱めの買いシグナル89.90が点灯している。中期チャートでは強めの買いシグナルが点灯しており、90円割れか押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット90.50)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅43.00円 現状乖離幅 39.80→37.15円
先週の買いシグナ1.4386から急落しており、今週は強めの買いシグナル1.4132が点灯している。中期チャートにおいても、強めの買いシグナルが点灯しており、1.41前後から押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット1.4600~1.4700)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅8.00 現状乖離幅 6.90→8.90円
先週の様子見0.9240から急落しており、今週は買いシグナル0.9010が点灯している。中期チャートでは引き続き強い売りシグナルが継続中、0.8900~0.9300のレンジ相場を形成している。
(売りターゲット0.9150~0.9200)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅24.00円 現状乖離幅 24.45→23.70円
豪ドルと同様に先週の様子見0.7388から下げ足を速めており、今週は買いシグナル0.7097が点灯している。中期チャートでは依然として強めの売りシグナルが点灯しており、0.7000〜0.7400のレンジ相場を形成している。
(売りターゲット0.7200~0.7300)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅4.00円 現状乖離幅 4.35→4.95円
先週の買いシグナル1.0295から上昇に転じており、1.0500前後ではポジション解消売りを伴い、今週は弱めの売りシグナル1.0583が点灯している。中期チャートでは強い買いシグナルから通常の買いシグナルに移行しており、1.0300~1.0700のレンジ相場を形成している。
(買いターゲット1.0400~1.0500)
▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅57.00円 現状乖離幅 54.75→54.95円
先週の弱めの買いシグナル1.6270から続落しており、今週は通常の買いシグナル1.6112が点灯している。中期チャートでは様子見レンジで推移しており、1.6000~1.6400のレンジ相場を形成している。
(売りターゲット1.6300~1.6400)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅1.50円 現状乖離幅 2.35→3.65円
先週の弱めの売りシグナル1.0266から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル1.0423が点灯している。中期チャートでは強めの買いシグナルから様子見レベルに達しており、1.04台からのナンピン売りに妙味が生じている。
(買いターゲット1.0150~1.0250)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅16.50円 現状乖離幅 16.80→17.20円
乖離幅17円前後の攻防が続いており、短期チャートでは明確な売買シグナルは発生していない。中期チャート重視では豪ドル売りNZドル買いが生じており、18円前後からの始動に妙味が生じている。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
14.00→14.85→15.35→16.50→16.00→14.65→14.35→15.25→14.25→14.45→13.35→14.25→13.25→15.20→16.15→15.45→16.35→17.35→17.00→16.85→17.00→18.00→16.70→16.25→16.25→16.05→17.45→16.80→17.20円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2006年度平均260円、2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度1月平均211.80円、2月平均211円、3月平均224.50円、4月平均230.60円、5月平均229.10円、6月平均231.60円、7月平均226.90円、8月平均230.50円、9月平均225.40円、10月平均220.90円、12月平均221.85円。そして、2010年1月第1週は226.30円、第2週は226.30円、第3週は221.30円、今週はユーロ円127.05+ドル円89.90=216.95と円高圏内に振れており、円売りに妙味が生じている。
(目安*220円以下は円売り局面⇔230円以上は円買い局面)
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離14.00円 現状乖離幅 17.10→17.80円
先週の通常の買いシグナル0.8842から続落しており、今週は強めの買いシグナル0.8771が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.8800前後からの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット0.9000~0.9100)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離44.00円 現状乖離幅 42.15→40.80円
先週の強めの買いシグナル1.4768から変更はなく、今週も引き続き強めの買いシグナル1.4736が点灯している。中期チャートにおいても依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット1.5050~1.5150)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離59.00円 現状乖離幅 57.95→59.25円
先週はポジション解消売りに伴い様子見1.6702が点灯していたが、今週は更に上昇を速めており、通常の売りシグナル1.6794が点灯している。中期チャートにおいては、強い買いシグナルから通常の買いシグナルに転じており、1.6500~1.6900のレンジ相場を形成している。
(買いターゲット1.6500~1.6600)
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★本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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