ドル売り過剰反応!戻り期待の逆張りに妙味?
12月米雇用統計は、非農業部門雇用者数の事前予想は±0に上方修正される見通しが高かったが、非農業部門雇用者数(NFP)は予想外に8.5万人の減少となり、雇用情勢の先行き不安が増幅したことから早期利上げ期待は後退、昨日はセントルイス地区連銀総裁が米金利は長期間、低水準にとどまる可能性があるとの見解を示し、また、アトランタ連銀総裁が最近の経済成長は持続的になる公算が高いが、回復力は弱く、失業率を相当程度下げるまで力強くは無く、政策金利を長期間低く抑える必要性を表現し、FOMC声明を支持する発言を示唆したことなどが背景となり、先週末からユーロドルは、1.4280ドルから1.4550ドル、ポンドは1.5890ドルから1.6190ドル、豪ドルは0.9120ドルから0.9320まで上昇、そして、ドル円も同様に93.80円から91.80円へ下落するなど市場はネガティブサプライズのドル売りに反応している。結果的には米労働市場の改善は緩やかになることが再認識された格好であるが、欧州株価指数及びNYダウ平均先物は概ね堅調に推移しているように、米景気期待が日増しに高まっている状況である。
一方、原油価格の上昇も米ドル売りと欧州通貨買いを後押ししている模様であるが、IMMシカゴ通貨先物指数においては有資源国通貨の豪ドルとカナダドルのロングを除けば、円ショート、ユーロショート、そして、ポンドショートが顕在化しつつあるように、現状レベルからの過度なドルショートは禁物であろう。
他方、今回の米雇用統計が下振れしたにもかかわらず、米長期金利は3.83%付近で終了するなど底堅く推移しており、米景気回復期待を背景にしたドル買い志向の流れに大きな変調はないと判断する。いずれにしても、市場心理がストップロス優先売買に傾斜している以上、ドルのもう一段の売りを誘発させる可能性があるが、ドル円が管財務相の円安期待発言前の92円前後まで戻しているように、基本的にはドルの戻り期待の逆張りに特化することが賢明であろう。
戦略的には、ドル円は再び92円前後の攻防が予想されるが、91円台半ば前後からの押し目買いと93円前後の売りで対応することを勧める。そして、ユーロドルも一気に1.45台まで上昇した反動売りが散見されており、上値の重い展開が予想されるが、ストップロスを巻き込んだ状態であり、1.45台半ば前後からナンピン売りを勧めると同時に1.44前後から押し目買いで臨むことを勧める。
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