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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米雇用統計・要人発言→予想不可能?

菅新財務相が円相場に再び言及しているが、内容的には経済界の期待や希望もある程度勘案しなければならないと述べたうえで、藤井前財務相と同様に為替は市場が決めることと概ね口先介入を是正した形であり、釈明会見と言わざるを得ない。
一方、米連邦金融機関検査協議会が米金融機関に対して金利上昇のリスクに備える警告したとの報道を受けて、一時、米金利先高感によるドル買いが先行し、ドル円は一時、93.80円近辺まで買われたが、今度は鳩山首相が政府は為替に言及すべきではないと示唆したことから、再び円買いが加速するなど、市場は要人発言に右往左往している状況ではあるが、最終的には管財務相が為替の変動時には機動的な介入操作を辞さないとも述べており、下値懸念は回避されると判断するのが妥当であろう。
他方、フランスでは大統領並びに財務相が現在のユーロが対ドル、元で過大評価されていると言及、今後ユーロ圏経済へ与える悪影響を訴えており、ユーロドルの上昇場面でのショートポジション継続は今後も優位性を保つだろうなどと、かなり具体的に表現している。個人的には、デフレスパイラル状態にある日本経済には当局の積極的な姿勢が必要であり、管財務相の発言は何ら問題ではないと思われる。
いずれにしても、本日は注目の米雇用統計を控えている関係上、相対的にポジションを積極的に取りづらい環境であり、基本的には相場の動きを待ってから戻り売買に終始することが賢明であるが、米雇用統計に対する改善期待が増している
だけに、良好な数字が出たとしても、ドルの上昇幅は0.50~100bpts程度の限定的になる可能性が高いが、むしろ、悪化するような事態になれば、市場のコンセンサスがドルロングにかなり傾斜しているだけに、サプライズ的なドル売りに繋がる可能性を秘めており、100~150bptsの下落幅を想定して臨むことが賢明であろう。さもなければ、米雇用統計の結果を確認してから逆張りに専念することが賢明であろう。



プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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