ドル買い基調→円キャリートレード加速?
昨日来からドルの利益確定売りが一巡しており、調整色が根強い相場展開である。藤井財務相の辞任観測報道にも市場の反応は限定的であるが、相対的に市場はドル買い戻しの動きに転じている状況であり、週末の米雇用統計の発表までは手掛かり難と言わざるを得ない状況にある。
ドル主導の展開ではあるが、ドル円を筆頭にして、各通貨とも直近のレンジ幅で推移する公算が高く、すでにドルはある程度の上昇を垣間見た後だけに、いずれの通貨も戻り売買に徹することが得策であろう。
一部では藤井財務相が円高容認派であったことから、円安基調の見方も浮上しているが、むしろ、藤井財務相の苦渋の選択状況を踏まえると、日本経済の財政活動が極めて困難にある印象が強く、また、デフレ懸念を払拭するには相当の時間を要すること見込まれるため、現状レベルからの円買いを躊躇させる環境にある。そして、現段階では機関投資家や投信ファンドによる円キャリートレードは市場を通して、鮮明に表れていないが、米経済の回復期待の高まりを背景にして、リスク志向が強まる可能性が高く、極端な円高局面にならない限りは、当面ドル円およびクロス円は小じっかりした動きに繋がるだろう。
一方、年初の関係から、市場関係者も積極的なポジションをとりにくい環境にあるが、投機筋も含めて、ポジションの反転が想像以上に早まる可能性が高く、適宜なボックス圏相場で戦略性を構築することが望ましいだろう。さもなければ、徹底的に逆張り戦法を駆使して、利食いチャンスを見極めることが賢明であろう。
端的にはドル円は91~93円、そして、ユーロドルは1.4250~1.4450のレンジ幅で売買志向を高めることを勧めるが、同時にストップロスをドル円90.50と93.50、そして、ユーロドル1.42割れと1.45前後に併用することが必須条件になる。
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謹賀新年★★2つの通貨ペア乖離幅チャート(ペットチャート)