米長期金利の頭打ち!過度なドルロングに注意?
メリークリスマス!
クリスマス休暇を控えて、一昨日は第3四半期の実質GDP確定値が下方修正されたことで、マーケットは一時米ドル売りが優先されたが、その後、米11月中古住宅販売件数が約2年半ぶりの高水準を記録した事が好感され、マーケットはドル買いが活発化、ドル円は2カ月ぶりの高値レベルへ上昇、そして、ギリシャの格付けが引き下げられた事で欧州経済の信用不安が拡大、欧州系金融機関の財務内容悪化を背景にユーロドルは1.42ドル台前半まで軟化するなど、ドル全面高の状況を作り出していたが、昨日は主要通貨が軟調地合いの中、米11月新築住宅販売件数が事前予想(438千件)を大幅に下回る結果355千件となり、市場の思惑は一変し、ユーロドルは1.43台半ば近辺まで回復している。基本的には短期間でのドル買い需要が拡大した反動局面とも受け取られるが、直近の住宅関連数値の良し悪しだけで、ドルの強弱を測るには懐疑的な段階である。先の中古販売は差し押さえ物件の増加により、低価格販売が目玉になっている一方、住宅市場の5%を占める新築販売は価格上昇が続いており、景気低迷を背景に中古販売に集中している状況である。現状では在庫物件がある程度裁けるまでには相当の時間が要するが、雇用情勢と共に改善方向にあることは間違いないであろう。
他方、年末に向けたドルキャリートレード解消の動きが強調されており、また、米金利先高観測が米長期金利に波及している間はドルの堅調地合いが続く可能性が高いが、米金利先物市場では来年6月以降には政策金利の引き上げが織り込み済みとは言え、昨日セントルイス連銀総裁が言及しているように、雇用情勢の明確な改善がなければ利上げシナリオに踏み切る可能性は低い状況であり、長期金利の頭打ちが予想される。そして、原油在庫の不足が顕著になっており、原油価格が再び上昇を速めているが、80ドルに接近する可能性もあり、過度なドルロングは自重すべき段階であろう。