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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル買い要素3拍子揃い踏み⇒反動売りに要注意?

海外市場の流れを受けてドル買いと円売りが進行しており、ドル円は91円台前半から上昇に転じてはいるが、91円台半ばに届かず失速しているように、市場全般が明日から始まる本邦の祝日とクリスマスを意識しており、91円台の高値圏で一進一退の展開に陥っている。一方、日経平均株価は、円安地合いを背景に前日比200円弱上昇しており、10,378円の高値引けで終了しているが、株高円安の流れを引き続いている状況である。
薄商いの中、今晩の経済指標では米GDPと米11月中古住宅販売件数が注目に値するが、後者の事前予想は2007年2月以来の625万件と改善予想が大幅に先行しているが、同指標に関しては、11月末に終了した初回住宅購入者向け税控除措置に絡んだ駆け込み需要を踏まえているため、前回10月の数値が予想以上の好結果だったことを配慮すれば、反動による大幅な減少も視野に入るだけに、過度なドルロングは自重して臨むことが賢明であろう。
他方、流れは依然として、ドル買い志向が顕在化しているが、今回のドル上昇要因としてあげれば、米金利先高観測によるドルキャリトレードの巻き戻し現象、欧州発のソブリン系リスク、そして、日本経済に押し寄せているデフレスパイラル現象などが混在しており、ある意味では、ドル買い要素が三拍子揃った状態でドル上昇局面を迎えており、今後、年度末に向けた段階的なポジションの縮小や利益確定を見越したドル売りが波状的に起きても何ら不思議ではないだろう。
戦略的には、ドル円は90円割れでは底堅い状況であり、90円台半ば前後から押し目買いを勧める一方、ドル円は実需の売りを背景に92円台に達する見込みは薄い状況であるが、無理をせずに、91円台後半から92円台半ばまでナンピン売りで臨むことを勧める。そして、ユーロドルは損失確定売りが1.43前後で一巡後に再び買い戻し基調にあるが、1.43台半ばからポジション調整売りが1.44まで断続的に控えている状況であり、先のシカゴIMM通貨先物のユーロショートの状態から判断しても、1.43台半ば以上のロングは自重することが賢明であろう。1.42台半ば割れから押し目買いと共に1.43台半ば以上からナンピン売り志向で臨むことを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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