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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

アインシュタイン相対性理論から100年

先週の土曜日に久しぶりに渋谷に買い物。と言っても娘は着る服がない、女房は週に一度ぐらいは外食と言うご希望があり、ごった返す渋谷の街へ出陣と言うはめになったわけだが、とてもじゃないが2人の買い物には付き合えないし、近くのブック1stで時間つぶしをしたが、店頭にアインシュタインの本が目立つ、何故今更と思いながら見ると、今年で相対性理論が発表されてから100年を向かえるそうだ。時には相対性理論でも復習?で立ち読みしたが、宇宙や光の原理、そしてブラックホールから人間欲まで創造した世界にはついていけないが、改めて感服した次第です。
以前にも述べた記憶があるが、人間の欲と宇宙は無限に近い。為替相場にも言えるが、相場の世界では欲ばかりでは冷静な判断を失ってしまうから、、、、勝てないのでしょうか?
★筆者の『ペットでも判る簡単チャート』もアインシュタインの相対性理論のホンの一部分でもある????と自負している次第です。 

▼グリーンスパンFRB議長も後継者探しの段階とは言え、先のニューヨークでの講演内容にも微妙に変化が見られるようになるのだろうか、米経済の台所事情を欲しげもなく述べているように、「人民元が切り上げられても米国の対中貿易赤字削減効果は薄い」との認識を示し、米製造業界の切望とは裏腹に中国人民元の切り上げによる過度の期待を戒めたことは、いくら米ドル安が進行しても、結果的には米製造業界の品質改良が求められることになる。為替操作『米ドル安』だけでは貿易赤字削減には貢献しないと言う見解なのであろうが、現実的には他に即効薬も見つからないのが米経済であり、ビッグスリーの低迷が示すように米製造業界の品質向上が伴わない限りは、双子の赤字削減には至らないのが実情である。
●米国としても、緩やかな金利の引き上げイメージが米ドル離れを阻止し、米経済の順調な回復を押し出しながら、段階的な米ドル安を目論むシナリオなのであろうが、FRB議長の言うように人民元の切り上げが実施されれば、物価上昇からインフレ懸念、そして金利上昇という構図も捨てがたいが、それだけアメリカ政府が世界経済のためにも中国の台頭には理解を示しているが、全ての根源は人民元安と言う概念しかないのも事実であろう。かつての日本円のような激変はなくとも、今後も貿易不均衡を訴えながら執拗に迫ることは必然であり、また急成長を続ける通貨に対する切り上げ圧力は計り知れないところである。米国の消費大国としての体質に変化がない限りは方針を変更できないし、選択する道も閉ざされているのかもしれない。
●今週の焦点も米ドルの上昇が円を含む他の通貨まで波及するかであるが、アジア通貨高を総体的に歓迎する米国とユーロ圏では、現状の米ドル高の要因が、単なる調整段階なのか、投機筋の思惑的な米ドル買いかには判断に苦しむところであるが、米経済の強い回復と言うよりも、ユーロ経済の低迷と日本経済の踊り場からの米ドル調整買いと見なせば、米ドルの上昇にも限界が生じてくる。先週のシカゴ円先物市場IMMの投機筋円ショートも一気に膨らみ米?買いの様相を呈しているが、上限近くの5万枚に達する勢いには少々びっくりさせられたが、継続的な投機筋の円ショートとは思えず、その反動も充分に予期されるような段階では、今後の米?買いに黄色信号が点滅している。
過度な米?買い『ロング』には警戒を要するレベルと判断し、108円台の米ドル売りを推奨する。

プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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