ボックス圏相場で乗り切ろう!ポンド相場に惑わされるな?
米国はベテランズデーで昨日の為替市場は休場であるが、NYダウは6日続伸で終値は年初来高値を更新している。為替市場は、総じて、ポジション調整主体で揉み合う展開であるが、キングBOE総裁が、英国の失業率は大きく上昇、景気は長期の調整期に直面、輸入から輸出へのリバランスが必要、そして、ポンド安がリバランスに寄与するなどの発言から、ポンド安容認の思惑からポンドが全面安の様相を呈している。一時的に、ユーロポンド買いが選考されたため、ユーロドルは1.50台半ばを意識する展開になったが、同レベルでは利益確定売りを背景に失速している。
一方、米国の低金利政策の長期化を背景にして、昨日フィッシャー・ダラス連銀総裁がドルキャリートレードの誘発リスクを述べているが、既に、リスク投資マネーが株式や商品市場に流入、市場の活性化にも繋がっており、米国のジレンマが増幅している。特に、金価格の上昇が激しく、連日のように市場最高値を更新しているが、金市場の流動性を考慮すれば、一時的なリスク回避に終わる可能性が高く、これからの上昇は限定的との見方が大勢を占めている。
穿った見方をすれば、世界同時不況下において、だぶついた投資マネーが金市場に集中していることは、それだけ、為替市場や債券市場、そして、株式投資への魅力が削がれている状態を示しているとも解釈できるだろう。結果的には為替相場のこう着感、債券相場の一時的な金利上昇懸念、そして、今後は株高懸念が顕在化する可能性が高いが、反面、利益確定売買が優先される傾向が強く、為替、株、債券、並びに金相場を除く商品市場は方向性を見出せる環境ではなく、各市場ともボックス圏相場に陥りやすい現象と言えるだろう。
戦略的にはドル円が90円、そして、ユーロドル1.5000前後で膠着化しており、現段階では安易なポジショニングは控えるべきであるが、より膠着度を増しているドル円は円高志向が根強く89〜90.50円のレンジ幅、そして、ユーロドルは高値警戒から1.4850〜1.5050のレンジ幅の中で戦略性を高めることが賢明であろう。ドル円は90円台20〜30からナンピン売りを勧めるとともに、89円台半ばから押し目買いを勧める。そして、ユーロドルはポンドが急落後だけに、ユーロポンドの調整が一巡している可能性から下値懸念を背景に、1.49割れから押し目買いと1.50台半ば前後の売りで待機策を勧める。