米雇用統計最悪期!ドル買い戻し好機迫る?
米雇用統計が早くも10.2%と26年半ぶりの水準まで悪化、非農業雇用者数も予想を下回るなど、市場を震撼させる結果にも関わらず、NYダウは予想外に小幅続伸して引けている。個人消費に支えられている米経済に対する疑念が拡大しており、雇用なき回復の持続性が問われている。当然ながら、リスク回避姿勢が顕著になり、一時ドル買いと円買いが加速したが、NYダウが持ち直したことからドルの売り戻しが生じており、市場は一段と方向感に欠ける展開になっている。
一方、先週末のG20財務相会議における共同声明では、世界経済の回復が確実視されるまでは景気刺激策の持続性を強調するにとどまり、確固たる出口戦略は先送りの状況であるが、一部では世界経済の活性化には低金利政策からの脱皮が求められている。しかしながら、日米欧経済共に財政難に直面しており、現行の金利水準で臨むしかないのが実状であろう。いずれにしても、今回の米雇用情勢の悪化により、来年以降の米利上げ観測は大幅に後退、米政府が正しているように低金利政策の長期化が避けられない状況にあり、その中でも金が史上最高値を更新、高金利通貨の豪ドルが上昇しているように、潜在的なリスク回避志向の高まりが相場を左右させており、結果的には難易度の高い相場であることは間違いない。そして、日本株には閉塞感があり、NYダウの流れを享受できない側面があり、一時的に株安円高志向が強まるが、既に円高局面を迎えており、為替相場及び株式市場共に、方向性を見出す状況とは言い難いのが現状である。
一方、シカゴIMM通貨先物市場では円及びユーロは先週並みで推移しているが、ポンドは欧州3大通貨間では割安感からショートポジションが縮小されている。そして、高金利政策を維持している豪ドルロングは堅調に推移しているが、警戒レベルのロングでもあり、両通貨共に深追いは禁物であろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2009年11月08日(日)
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▲ドル円 ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.0450 現状乖離幅−0.0746→−0.0753
A)1÷1.4842=0.6738(B)100÷133.50=0.7491(A−B=−0.0753)
先々週の様子見92.05から、再び下げ足を速めており、先週の買いシグナル89.95に続いて、今週も買いシグナル89.95が点灯している。週足チャートでは引き続き強めの買いシグナルが点灯しており、90円割れからの押し目買いに妙味が生じている。(売りターゲット92.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅35円 現状乖離幅 42.45→43.55円
警戒レベルの売りシグナル1.5000台から下げ足を速め、一時1.46台半ばを覗いたが、今週は先週の強い売りシグナル1.4711から反転しており、引き続き強い売りシグナル1.4842が点灯している。週足チャートにおいても、強めの売りシグナルが点灯しており、ナンピン売りに妙味が生じている。
(買いターゲット1.4300〜1.4500)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅20円 現状乖離幅 9.20→7.40円
先々週の強い売り売りシグナル0.9224から下げ足を速めているが、先週の売りシグナル0.8979から再上昇しており、今週は警戒レベルの売りシグナル0.9177が点灯している。(買いターゲット0.8500〜0.8700)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅35円 現状乖離幅 25.55→24.75円
先々週の警戒レベルの売りシグナル0.7546から下げ足を速め、先週は強い売りシグナル0.7146が点灯していたが、今週は再び上昇しており、引き続き強い売りシグナル0.7248が点灯している。(買いターゲット0.6800〜0.7000)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅11円 現状乖離幅 7.05→6.20円
先々週の強い買いシグナル1.0538から、先週は1.0849まで上昇していたが、今週も引き続き、強めの買いシグナル1.0740が点灯している。
(売りターゲット1.1000〜1.1200)
▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅52円 現状乖離幅 57.90→59.70円
1.60台から売りシグナルが継続しているが、先週の強めの売りシグナル1.6426から、今週はさらに上昇しており、引き続き強い売りシグナル1.6609が点灯している。週足チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、ナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット1.5800〜1.6000)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅8円 現状乖離幅 0.80→2.30円
先々週の警戒レベルの買いシグナル1.0088から、先週は上昇に転じ、強い買いシグナル1.0262が点灯していたが、今週も弱冠下落に転じているものの、引き続き強い買いシグナル1.0175が点灯している。(売りターゲット1.0500〜1.0700)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅15円 現状乖離幅 16.15→15.45円
先々週の乖離幅15.45円の様子見から、段階的に乖離幅は拡大しており、先週の16.35円から、今週は17.35円と更に拡大している。週足チャートにおいても、引き続き豪ドル売り/NZ円買いシグナルが点灯しており、17円台からの始動に
妙味が生じている。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
9.20→10.45→9.75→11.35→12.15→13.75→15.40→14.55→15.85→16.25→15.40→15.35→16.10→14.00→14.85→15.35→16.50→16.00→14.65→14.35→15.25→14.25→14.45→13.35→14.25→13.25→15.20→16.15→15.45→16.35→17.35円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
(目安*220円以下は円高⇔235円以上は円安)
2006年度平均260円、2007年度平均279円、2008度四半期毎の平均は263.04→266.95→269.80→221円。2009年度1月平均211.80円、2月平均211円、3月平均224.50円、4月平均230.60円、5月平均229.10円、6月平均231.60円、7月平均226.90円、8月平均は230.50円、9月平均は225.40円、10月平均224.30円、今週はユーロ円133.50+ドル円89.95=223.45と円高レベルで推移。220円割れからのナンピン買いに妙味が生じている。
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離20円 現状乖離幅 15.45→15.90円
0.90台では強い売りシグナルが点灯していたが、先週の強めの売りシグナル0.8956からは変更は見られず、今週も引き続き強めの売りシグナル0.8936が点灯している。(買いターゲット0.8600~0.8750)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離46円 現状乖離幅 44.75→45.10円
先週の買いシグナル1.5097から変化は見られず、引き続き今週も通常の買いシグナル1.5102が点灯している。(売りターゲット1.5200)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離66円 現状乖離幅 60.20→61.00円
先々週の強めの買いシグナル1.6451から上昇基調にあり、先週の買いシグナル1.6856から弱冠上昇しているが、今週も引き続き通常の買いシグナル1.6900が点灯している。(売りターゲット1.7000~1.7200)
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★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めします.最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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