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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円92円清算レベル!方向性の確認時期到来?


本日は主だった経済指標もなく、先週末の調整売買に終始されるため、値幅自体は限定的になる可能性が高いだろう。相対的に、市場は各経済指標が改善の兆しがあり、経済見通しは来春以降に回復期待が高まっている傾向があるが、為替相場は依然として、ドルの過剰流動性を基盤に株高ドル安が根付いており、リスク回避志向に振り回されている状況である。現状では、米低金利政策の長期化を背景にして、ドルの過小評価が一段と進行している一方、投機筋の動向の目安であるシカゴIMM先物通貨においては、未だに、高金利の豪ドル建て玉ロングは5万枚台で推移しているが、円ロングやユーロロングが減少傾向にあるように、ドルの反転時期を模索する環境が整いつつある。
先週のドル円相場は92円台まで回復しているが、本チャート上では清算圏に突入しており、方向性を見極める段階に差し掛かっている。下値90円台の底堅さと92円台以上では達成感と共に実需の売りが控えており、93円台では上値の重さが生じている。当面、91~93円のボックス圏相場で戦略性を高めることを優先すべきであろう。
一方、他の通貨においても、ポンド及びカナダドルは調整売りが散見されているが、ユーロドル1.500台やスイスフラン1.000近辺では高値警戒感が増幅しており、両通貨のロングは自重局面にある。そして、オセアニア通貨においては、豪政府のタカ派的な見解や利上げ観測が先行しており、同時に、円キャリートレードの側面から下値の堅調さが見られるが、ドル円の加速的な上昇は見込みにくい状況なだけに、クロス円の上昇幅も限定的になる可能性が高いだろう。現状レベルからのロングは自重し、もう一段の上昇を待ってから、逆張り思考で臨む方がリスクは限定されると思われる。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2009年10月25日(日)


米ドル過小評価の見直し時機到来?

▲ドル円 ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.000 現状乖離幅−0.0676→−0.0572
A)1÷1.5005=0.6664(B)100÷138.20=0.7236(A−B=−0.0572)
90円台へ突入後も買いシグナルが継続しているが、先週の買いシグナル90.85円から今週はほぼポジション解消売り92.05が点灯、様子見レベルに達している。週足チャートでは引き続き買いシグナルが点灯しており、順張りを継続することも一考であるが、92.50円近辺では清算過程にある。(様子見)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅33円 現状乖離幅 44.55→46.10円
先週はストップロスを巻き込みながら、強い売りシグナル1.4904が点灯していたが、今週は節目である1.500台に突入しており、警戒レベルの売りシグナル1.5004が点灯している。週足チャートにおいても、引き続き強めの売りシグナルが点灯しており、1.5000台ではナンピン売りに妙味が生じている。
(買いターゲット1.4000〜1.4200)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅23円 現状乖離幅 7.50→7.15円
0.90台に突入後も上げ足を速めており、先週の強い売りシグナル0.9173から、今週は警戒レベルの売りシグナル0.9224が点灯している。
(買いターゲット0.8000〜0.8200)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅35円 現状乖離幅 23.65→22.60円
豪ドルと同様に先週の強い売りシグナル0.7397から一段と上昇しており、らに上昇しており、今週は警戒レベルの売りシグナル0.7546が点灯している。
(買いターゲット0.6800〜0.7000)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅12円 現状乖離幅 3.20→4.70円
先週の強めの買いシグナル1.0365からは上昇に転じているものの、今週も引き続き強い買いシグナル1.0538が点灯している。(売りターゲット1.1000〜1.1200)

▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅50円 現状乖離幅 57.80→58.10円
1.60台からは強めの売りシグナルが継続しているが、先週の強い売りシグナル1.6362から若干下落に転じているが、今週も引き続き強めの売りシグナル1.6308が点灯している。尚、週足チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、ナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット1.5300〜1.5500)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅12円 現状乖離幅 2.75→2.45円
急速にパリティ1米ドル=1スイスフランに接近している。先週の強い買いシグナル1.0179から、今週は警戒レベルの買いシグナル1.0088点灯している。
(売りターゲット1.0700〜1.0900)

▲オセアニア通貨裁定取引 
平均乖離幅15円 現状乖離幅 16.15→15.45円
先週の乖離幅は直近では16.15円で最も拡大しているが、様子見圏内で推移しおり、今週も引き続き乖離幅15.45円で様子見が継続している。週足チャートでは豪ドル売り/NZ円買いシグナルが発生しており、17円前後からの始動に妙味が生じている。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。7.95→8.25→9.20→10.45→9.75→11.35→12.15→13.75→15.40→14.55→15.85→16.25→15.40→15.35→16.10→14.00→14.85→15.35→16.50→16.00→14.65→14.35→15.25→14.25→14.45→13.35→14.25→13.25→15.20→16.15→15.45円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円 
(目安*220円以下は円高⇔235円以上は円安)
2006年度平均260円、2007年度平均279円、2008度四半期毎の平均は263.04→266.95→269.80→221円。2009年度1月平均211.80円、2月平均211円、3月平均224.50円、4月平均230.60円、5月平均229.10円、6月平均231.60円、7月平均226.90円、8月平均は230.50円、9月平均は225.40円、10月第1週は220.55円と円高、第2週は22.00円、第3週は226.25円、今週はユーロ円138.20+ドル円92.10=230.30円と円安に振れている。


★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離20円 現状乖離幅 12.30→12.00円
0.90台から継続的に強い売りシグナルが点灯しているが。先週の強い売りシグナルに続き、今週も強めの売りシグナル0.9201が点灯している。
(買いターゲット0.8650~0.8800)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離44円 現状乖離幅 46.15→46.90円
しばらく様子見状態が続いていたが、先週の様子見1.5171から、今週は弱めの買いシグナル1.5137が点灯している。(売りターゲット1.5200)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離64円  現状乖離幅 55.25→59.40円
先々週の強めの買いシグナル1.6347から、先週は1.6655まで上昇したが、再び下落傾向にあり、今週も強めの買いシグナル1.6451が点灯している。
(売りターゲット1.7000~1.7200)

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★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めします。最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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