株・為替・石油→いずれも正念場?
昨日発表された9月米国住宅着工件数や生産者物価指数は予想を下回り、NYダウの反落を受けて、リスク回避志向が強まったことからドル買いが促進している。
一方、カナダ中銀が政策金利を0.25%に据え置いたが、カナダ高の影響が指摘されていると同時に、インフレ見通し次第で翌日物金利を2010年半ばまで0.25%に据え置く意向を示し、2011年度の経済成長見通しを下方修正する声明を受けて、カナダドル売りが加速している。先のEU財務相会合においてもドル安論争が表面化しているが、他の先進諸国もドル安の影響が計り知れないレベルに達しており、特に出口戦略に右往左往している米経済の不透明さがある限りは、過熱感のある株式市場の上昇は限定的との見方が優勢になっている。
視点を変えれば、年初からドルの供給過剰と共に、投資マネーが株式及び商品市場に流入しているが、NYダウが10,000ドル、そして、原油価格が80ドルまで上昇した局面から、現状では達成感からの利益確定売りが顕著に見られているが、ヘッジファンドなどの投資マネーが反転する可能性もあり株、商品、そして、為替市場も正念場を迎えている状況である。いずれにしても、ポジションの拡大は論外であるが、ドルロング志向を強めたほうがリスクは限定されるであろう。
一方、市場のコンセンサスがリスク回避志向の強弱を重視する傾向から、センシティブな市場になっており、現段階ではユーロドル1.5000の重石と共に、ドルの反転時期が迫っているとも解釈できるが、基本的にはドルショートを自重しながら、ボックス圏相場で戦略性を高めることを勧める。ドルの買い戻しを確認してからドルショートに転じることが得策であろう。
戦略的には、ドル円は実需主体の相場展開を尊重し、90円割れから押し目買いを勧めるが、上値も限定的と判断し、91円台半ばからナンピン売り志向で臨むことを勧める。そして、ユーロドルは1.5000の上値の重さが確認された状況であるが、1.49台半ば以上の売りを勧めると同時に、1.48台半ば割れから押し目買いを勧める。