ドル円95円達成、クロス円買い見直し時機到来?
中古住宅販売件数が予想を上回り3カ月連続で増加し、住宅市場の底打ち期待が高まったことに加え、比較的好調な米主要企業決算を睨んで、NYダウが9,000ドルを復活、ドル円も株高の影響を受けながら、節目である95円台に到達しており、円売りムードが高まっている。本日の東京市場では日経平均株価が10,000円をトライできるかが焦点になるが、リスクマネーの流れが株式市場、そして、再び原油市場まで食指を伸ばしている。しかしながら、米国株取引終了後に発表されたマイクロソフトなどの米企業決算が予想を下回るとポジション解消の円買いとリスク回避のドル買いに傾斜するなど波乱含みの相場展開になっている。
株式市場は市場関係者からも過熱感があると称されているが、円相場も同様に95円のストップロス狙いの円売りと狼狽的なポジションの反転の動きがあり、相場の難易度を高めている状況である。
本チャート上ではドル円相場は95〜96円ではポジション解消レベルを指摘しているが、同レベルでは実需の売りと新規売りが上値を抑える公算が高く、ドル円95円台半ば以上の深追いは禁物であろう。他方、ユーロドルや他の通貨がドルに対して過大評価の段階であり、ドル円が再び下落に転じれば、クロス円の急落を想定しなければならず、相対的にクロス円買いを推奨できる局面ではない。
ただし、本邦機関投資家や投信ファンドの相次ぐ外債投資が存続しており、当面、下値リスクは限定的と判断するが、季節要因であるボーナスを絡みの投資意欲の減退と共にクロス円急落を想定した戦略が必要であり、ストップロスに留意して臨むことが必須条件になる。
本日は特段の経済指標もなく、市場心理主体の相場展開が予想されるが、市場のコンセンサスが株式動向に準じた動きとなっており、株価上昇期待は根強いが、週末のポジション調整も含めて、利食い先行の相場展開が予想される。
戦略的にはドル円95円台のロングは自重し、94円台半ば割れから押し目買いと95円半ばの売りで臨むことを勧める。ユーロドルは1.42台半ば以上から反落している。上値の重い状況が続いており、1.42台からのナンピン売りを勧めると同
時に、買いは1.41割れから押し目買いを勧める。
★Webオンラインセミナー開催 【鈴木郁雄のFXで利益を上げるための売買入門セミナー】
7月30日 20:00〜21:00 主催・エンジュク