相場観ゼロ!待機姿勢で漁夫の利?
NYダウは8日ぶりに小幅に反落して終了しているが、これで米大手金融機関6行の第2四半期決算がすべて黒字となり、一時の金融危機を脱した感がある。しかしながら、不良債権処理や融資の焦げ付き拡大が指摘されており、先行き見通しに不快感を残している状況である。
反面、ハイテク関連であるナスダックは11日間連騰と過熱気味に推移しており、米経済の回復期待の表れであろうが、今後は利益確定売りに圧される見方が大勢を占めており、株高に一服感が生じることが予想される。昨日はリスク許容度が後退し、一時円買いが加速したが、米国の主要な株価が下げ渋り、底堅い動きを見せ、一転して、ドル売りと円売りが進行するなど、方向感の乏しい狭いレンジ相場の攻防が続いている。
一方、米財務省によると、新興国を中心にした米国債保有残高が昨年比3割ほど急増している。米経済危機や基軸通貨問題を背景にして、比率的には長期債から短期債へシフトされているが、主に純増分に対する短期債購入の選択肢であり、米長期債売却と言う図式ではなく、ドル売りが加速する状況にはない。また、ドルの過剰供給が問題視されているが、だぶついた投機マネー流動性を吸収するにはドル債以外には選択肢が限られている表れでもある。それゆえに、中国、ロシアなど大量にドル資産を抱える新興国がリスク回避目的でSDRや代替え通貨を主張することは止むを得ないが、同時に、非現実的であることは否めない。本日はマイクロソフトをはじめとして、米大手企業決算発表が大量に控えており、一喜一優する状況が予想されるが、相場を大きく動意づかせるほどにはならないだろう。それゆえに、本邦勢も顧客や海外勢の動向に依存している状態であり、相場観はゼロに等しい様相を呈している。
戦略的には昨日同様に、ドル円93割れから押し目買いと94円台半ばからナンピン売りを勧める。そして、ユーロドルは小幅に乱高下しているが1.42台半ば以上では上値の重さが生じており、同レベルからのナンピン売りと1.41割れから押し目買いを勧める。
************************
★Webオンラインセミナー開催 【鈴木郁雄のFXで利益を上げるための売買入門セミナー】
7月30日 20:00〜21:00 主催・エンジュク