クロス円押し目買い好機!
FOMC声明文では実質的なゼロ金利政策を前提に国債購入枠を3000億ドルに据え置くなど、軒並み現状維持と目新しさはなかったが、期待されていた米国債購入増額が見送られた事もあり、市場はドルショートを急激に解消する動きが早まっている。結果として、ユーロドルの急落にも繋がっているが、下地には過大評価されているスイスフラン介入観測を背景にして、欧州通貨売りが進行していた矢先でもあり、想像以上にドルが買い戻された背景は否定出来ない。
しかしながら、市場関係者も直近の相場の振幅の早さに翻弄されており、どうしても、ポジション解消を含めた縮小売買が早まる傾向があり、今後も相場の大きな波乱要因の一つにならざるを得ない状況である。
他方、ウェーバー独連銀総裁は今年後半には景気が底入れる可能性があるが、ドイツ経済は急激な景気後退局面にあると発言しており、ユーロドルの重石であり、相対的にはレンジ相場を形成している関係上、原則的には動き損にならないように中期的志向で臨むほうが得策であろう。
一方、米長期債の上昇が懸念されているが、昨日の米5年入札は順調に終わり、本日の7年債も海外中銀やヘッジファンドの購入意欲は健在の模様である。同時に本邦の外債ファンド設定に安堵感が生じており、中期的な円キャリートレード志向が強まる可能性が高いため、クロス円の下値が限定的になりつつある。
対ドル相場では各通貨とも不安定な展開が繰り返されているが、あくまでもボックス圏相場の段階であり、大きな動きを生じた際の逆張り戦略に専念することが賢明であろう。また、原油価格の上昇も懸念されているが、需要の落ち込みが指摘されているように、当面、原油価格の上昇に歯止めがかかる可能性が高く、ドルショートに対して違和感が生じやすい背景があり、過度なドル売りは自重すべき状況である。
戦略的には、ドル円相場は96円を挟んだレンジ幅での攻防が予想されるが、95円台前半の買いと96円台半ばの売りを勧める。そして、ユーロドルは他の欧州通貨ポンド及びスイスフランが乱高下を繰り返しているように、レンジ1.3850~1.4100を基準にして、少なめからのナンピン売買で臨むことを勧める。