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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

為替心と秋の空?

秋の涼しさを感じますね、昨日からは風呂もシャワーから湯船に変更、寝具もタオルケットから布団へ、今晩の夕食は「おでん」と季節感を感じます。9月末を向かえ、米ドル高に視線は向くが、それほど簡単な相場ではない。女心と秋の空じゃないが、男心も秋の空状態。為替の心は女心より始末が悪い。
そんなときは視点を変えて見るのも一案。今晩久しぶりに巨人戦の中継があるが、阪神の優勝戦と聞けば納得。無様な姿を見るのも見納めとなれば、損切りの心境で見てみますか。海の向こうのメジャーリーグは面白い。ワールドシリーズ出場をかけて、ヤンキースほか4チームが凌ぎあっている姿は羨ましい限りである。
日米決戦なんて100年早い。

▼日銀短観に注目が寄せられているため、ドル円も上値が重い展開が予想される。株式市場の動向を鑑みても短観の改善予測が確実視されている以上は米ドル買いに対する反応は鈍くなるが、急テンポの米ドル買いにより、損失確定の買いも根強く、また背景に金利差拡大がある以上は米ドルの急落も考えられない。112円台の半ばを割れない限りは、米ドル売りの加速は期待できないのが現状であることから、113円を挟んだ攻防が有力視される。単に方向感が出しにくい環境でもあり、最近の米経済指標からも心理的にも米ドル買いに懐疑的な見方が多いこともあるが、112円前後からの米ドルショートによるストップロスを余儀なくされる展開だけに米ドルの下値も堅調になると判断し、ドル円112.50前後の買いを推奨する。

▼ユーロドルも下値1.2000割れには海外勢の買い意欲も強い、欧州勢も好材料はないものの悪材料も出尽くした感があり、下値も限定的と判断している。1.200前後の買いであればリスクも限定的と思われるが、ドル円同様に1.21前後にはストップロスと利益確定の売りも見られ、レンジ的には狭い攻防が予想される。金利差拡大が後退しない限りは米ドル離れを食い止め、米ドル高が維持されているが、日本の量的緩和解除も含めて、ユーロ圏の利上げも噂される状況下では、金利差拡大も最終局面が近いと見る。

相変わらずスノー米財務長官も強い米ドルを支持してはいるが、米国側も日本経済の回復基調を評価し、明らかに上向きな経済状態が円安によるものと判断すれば、再び円高が視野に入るのが妥当である。同時にユーロ通貨にも言えることであるが、当面1.200を維持できれば、欧州経済の回復基調も浮上しており、日欧の回復基調が実証されれば、米国側のシナリオも米ドル安に向かう可能性は充分にある。

しかし,人民元を巻き込んだ米ドル安でなければ、米国側が意図する真の貿易不均衡の解消にはならないし、経常赤字の改善には繋がらない。当面は米ドル高を容認し、日欧の経済事情と中国側の人民元の成り行きを見ながらの展望と判断する。

********今週のペットでも判る簡単チャート*****
9月28日 23:30

*ドル円売り 113.30  ユーロドル買い 1.2012 
ポンド買い オセアニア通貨買い・裁定取引チャンス到来 
*詳細はHP 新外為の森 を参照してください。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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