待てば回路の日和あり!ドルのシーソー相場突入!
昨日の米ADP雇用統計は50万人台を継続中、明日発表される米雇用統計の悪化懸念が増幅されている。同時に、米ISM非製造業景況感指数、米製造業受注も事前予想より下振れており、米経済の景気底打ち感を否定する状況であるが、総じて、悪化指標の割に株式市場は底堅い動きを形成している。
一方、為替市場はドルの全面安から全面高へと試行錯誤を繰り返しており、一喜一優する相場展開になっているが、表面的には難解な相場展開ではあるが、ボックス圏相場の域を脱していない。しかしながら、投機筋の思惑と共にポジションの反転時期が早まっており、無駄な動きは極力省く戦略性が求められる。
一方、長期金利の急上昇を背景に、住宅ローン申請件数が激減、在庫調整も改善されておらず、同時に米失業率がさらに悪化する見通しでは、米ドルロングの賞味期限は短いことが予想され、今後もドルの戻り売りに焦点を当てることが望まれる。
昨日もバーナンキFRB議長が米下院で「長期的な財政赤字は、金融安定化に脅威」「基軸通貨体制が揺らぐことはない」等の見解を示しているが、長期金利の上昇や原油価格の上昇を背景に米景気先行き不安が現実化していることは否めず、NYダウは高値警戒感が浮上、利食い売り圧された形で一時8600ドル台を割り込むなど軟調な展開になっている。
ユーロドルはユーロ圏第1四半期GDPの発表が予想より悪化したことなどから、欧州通貨全般にポジション調整売りが生じたが、中国・日本・インド・韓国の金融関係筋が、米国のソブリン債格付けが引き下げられた場合でも引き続き米債を購入する方針を好感された事がユーロ売りを加速させている。
しかしながら、米経済に対する不確実要素は健在化しており、ユーロドルの下値は限定的と判断する。
補足的になるが、リーマンショック後に発生した金融不安が改善傾向にあり、同時にリスク回避志向が後退したことから、一時債券市場に吸収されていたリスクマネーが集中的に株式や商品市場に向かっていることは間違いないであろう。それゆえに、急速に債券売りに走り、長期金利の上昇の一因となっている反面、米長期金利の上昇は魅力的な投資対象に復帰する可能性も高く、過度な長期金利上昇は封じられると見るべきであろう。
戦略的には投機筋の動向を待ってから始動が賢明であるが、動き損にならないためにも、ドル円95〜97円のレンジ、ユーロドルは1.4100前後から押し目買いと1.4300前後の売りで臨むことが賢明であろう。