ドルの過大評価継続!戻り売買に徹すべし?
ドル高からドル安へと市場心理が揺れている。米中古住宅販売件数の減少に引き続き、米財務省がクライスラーには対して破たん準備を指示した模様であるが、米自動車業界の破たん問題などでは目新しい材料とは言えない。
他方、一部報道では米政府主導によるストレステストの結果が取りざたされており、一連の好決算の先陣を切ったウェルス・ファーゴが通過する見通しが飛び交う状況である。いずれにしても、時価会計基準の緩和が大きく貢献することが予想され、5月4日の発表を前にして、懐疑的な見方が少なくなく、同時に、政府主導によるストレステスト自体の信ぴょう性までもが問われ始めている。
昨日のNYダウは辛うじて上昇に転じているが、目先の材料を好感した上昇局面でありNYダウ9,000ドルに達するには抵抗感が生じている。米新規失業保険申請件数は64万件と一向に減少する気配が見られず、雇用改善には程遠いものがある。住宅関連に関しては、いずれ底打ち感が出るが、雇用情勢の改善なくして米実体経済の回復には程遠いものがある。
一方、本日から開催されるG7で米財務省高官が世界経済の成長促進を米消費者の支出に依存することは不可能である見通しを表明する予定でもあり、ますます米経済の不確実性が拡大している。裏を返せば、米国経済の後退と共に輸出力の無さが指摘されている。本邦でも28年ぶりに貿易赤字を計上したが、各主要国の貿易収支も悪化傾向にあり、いずれの国も経済復興のためには潜在的な通貨安の思惑があるが、最も通貨安を望んでいるのが米国であり、世界経済の建て直しは、基軸通貨の地位を維持できる程度のドル安と言う構図は描
けるかもしれない。
とは言いながらも、市場のコンセンサスはストレステストの結果に集中しており、月末とGWを睨みながら、方向性を探る段階であるが、投機筋の参加が予想されるため、乱高下必至の相場展開はイメージすべきであろう。
戦略的には、様々な好悪材料が回遊しており、ドルの迷走と共に、相場自体の方向性が揺らいでいるが、ドル円は97.00〜100.00円、そして、ユーロドルは1.2900〜1.3300のボックス圏相場を形成しており、その中でのトレードに専念することが賢明であろう。損切りも益出しを早い段階で実施して、ポジションの持ち越しは極力制限を設けて臨むことを勧める。
ドル円97.00割れからの押し目買いと99円台から100円までのナンピン売りを考慮して臨むことを勧める。ユーロドルは1.3000割れからの押し目買いと1.32台の売りで臨むことを勧める。