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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ハリケーン迷走相場!

ハリケーン相場を当てることは不可能。ハリケーンのご機嫌伺いをしても、迷走が付き物だけに対策はない。信憑性のない木枯らし(噂)が吹いても相場が一変するほど神経質になっている。将来は為替相場を予測するには気象予報士の資格が必要なときもくるのかもしれないが、為替オプションにも天候デリバティブのデータも必要となる日も近い?
▼日本の台風は1号、2号と呼ばれるが、ハリケーンの名前の由来はアルファベッ順であり、6年ごとに名前が振り分けてあると聞く。カトリーナは11号のK、今回の「リタ」は12号Lとなるらしい。また女性名詞のように言われているが、最近では平等を意識して、男性名詞もつかわれるようになったとか。

▼週末にかけて、カトリーナの再現とも言われるハリケーン「リタ」が襲来となれば、原油価格の高騰が懸念され、状況としては米ドルの上値が重くなる展開は否定できない。FOMCの利上げ直後だけに,再び被害が拡大する状況になれば、今度こそ連続的なFFレートの利上げ中断も視野に入れなければならない。たとえ金利差拡大が米ドル離れを防ぎ、対米投資に期待が寄せられても大国アメリカも自然災害には勝てない図式が濃厚である判断されれば、米ドルの上値が重くなるのが必然であろう。一方では被害拡大が米国の結束力とともに復興努力が経済の活性化になると言う意味不明とも思われる論理もまかり通るようだが、常に強気で楽観的な姿勢を崩さないブッシュ政権も、財政事情の更なる悪化は避けられない局面でもあり、今後の米経済指標にも下方修正が見られ、不透明感が更に拡大し、為替にも大きな変化が訪れる公算も高いと言える。
いずれにしても、想定外のハリケーンの襲来ではあるが、前回の学習効果により被害も最小限になることも予想され、米国特有の強気発言が復活することも踏まえて、短期決戦の米ドルショートで臨むべきであろう。ポジションは常に控え目に徹する事が肝要であり、たとえナンピンの売買をしたとしても、余裕ある積極的なナンピンでなければならない。そのためにはリスクの基準点が重要であり、中途半端で、直感的な売買やテクニカル上での売買では、おのずから限界が生じるはずである。

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ペットでも判る簡単チャート推奨***********
昨日の推奨レベル
ドル円111.85 ユーロドル買い1.2145、カナダドル売り、オセアニアは様子見、ポンドは買い方向のシグナルが点灯。

新外為の森

プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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