ドル転換期?
18日NY市場はFOMCの声明文を受けて米ドル全面安になっている。米政策金利は予想通り据え置かれたがFOMC声明で3000億ドルの長期国債の買い入れを表明したことから米10年長期債が3%前後から2.5%台まで急落し、株高・ドル安・債券安が一気に押し寄せている。結果的に利下げ余地のない米政策金利は予想通り据え置かれたが、米国債買い取りが実質的には0.5%程度の金融緩和措置に値するだけに、ドル全面安の状況を見せている。
引き続き損失確定売りが散見されているが、ジリジリとドル売りが加速する状況ならば、ストップロス売りがストップロス売りを呼ぶ展開になるが、昨日のように瞬間的なドル売り局面ではストップロスが機能しない側面があり、新たに値ごろ感のドル買いと利益確定買いが浮上する確率が高いだけに、現状レベルからのドル売りは自重すべきであろう。
他方、東京市場においては公的資金と見られる円売りが継続される可能性も高く、逆にドル円96円割れからの押し目買いに妙味が増している。戦略的にはもう一段のドル売り局面があれば、ドルロングに転じることも一考であり、ドル円は96円割れからのロングと97円台半ば以上の戻り売りを勧める。
ユーロドルに関しては、1.35台まで急上昇しているが、本チャート上でも清算レベルに到達しており、今後の成り行きを見てから始動が賢明であるが、同レベルでは利益確定売りと値ごろ感からの売りが散見されており、ドル円と同様にもう一段の上昇を見てからユーロショートに転じることを勧めるが、レベル的には1.35台半ばの売りを勧めると共に、1.33台半ばの買いで待機することを勧める。総じて、ドル相場が転換期を迎えていることもあるが、市場が必要以上にナーバスになっており、どちらにでも傾斜する可能性があるため、当面、ストップロスを怠ることなく、方向性を確認する意味でも積極的な売買を控えながら、リスク限定の売買に取り組むしか妙策はないだろう。
補足的になるが、300~400ポイントの乱高下時では悪化させたポジションを持ちこさないのとが相場の鉄則である。そして、戦略性を高めるためにも、次のボックス圏相場に向けた対応策(シナリオ)を構築することが先決であろう。