彷徨い続ける米経済・米ドル?
昨日は特段の材料がない中NY株式市場が横ばい状態であるが、ドルが一昨日の反動もあり、全面安の様相を呈している。ドル円100円に対する期待感とは裏腹に、98円割れ局面ではストップロス売りが断続的に実施されたことがドルの主な下落要因に繋がっている。今現在ではドル円100円台が遠ざかったと言えるが、97円割れでは執拗な円売りや利益確定買いが予想されるが、ストップロス売りが一巡していない状況を考慮して、もう一段の下げを見てから96円台半ば割れからの押し目買いに妙味が生じている。相対的にはドル円95円の円高相場と見極めるには早計であり、レンジ幅での相場展開を重視し、戻り期待で臨むことが賢明であろう。ドル円96円台からのナンピン買いを視野に入れて臨むことを勧める。
他方、一昨日のシティ。グループの黒字化に続き、JPモルガン・チェースも黒字に転化している報道もあり、一部では金融機関に対する楽観的な見方が浮上するなど米金融株が持ち直しているが、反面、フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)の決算発表後に追加支援308億ドルを要請するなど、不安材料には事を欠かない状況である。いずれにしても、即座に市場心理が好転するに至る状況ではなく、今後も株式市場に対するリスク回避売りが優先される状況には変わりがないだろう。為替市場の変動要因が単発化しており、既に下げ余地のない金利や低迷している株式市場の動向で為替相場を測り知ることができない状況である。今後も市場心理主体の難解な相場展開が続くと思われるが、当面は控えめなポジションで乗り切ることが賢明であり、常に冷静状態を堅持できる許容範囲のポジションングが求められる。
13日から開かれるG20に向かい、オバマ米大統領やガードナー米財務長官から経済を復活させる協調行動を促しているが、米国自体の景気刺激策が枯渇し始めている印象は拭えず、ドル売り要因にも繋がっているが、明日の米貿易収支は他国の貿易収支の悪化を反映して、改善見通しであり、過度なドル売りは敬遠すべきであろう。
戦略的にはドル円97円割れの状況を見てから始動を勧めるが、前述したように、96円台からの押し目買いと98円台の売りを模索することを勧める。
ユーロドルは1.28台半ばで息切れしているが、ドル円同様に、ストップロスの展開であり、1.29前後の売りと1.27台半ばの買いで対応することを勧める。