円売り、ドル売り、ユーロ売り!サイクル相場継続中?
昨日発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、1月から2月下旬にかけて経済情勢が一段と悪化、09年後半から10年初めまで経済の低迷は避けられず、住宅価格の下落が続く見込みと悲観的な内容に終始している。
ドル売り姿勢が強まりを見せているにもかかわらず、NYダウは反発に転じているが、7,000ドル割れの値ごろ感の買いが支配している可能性は否定できず、下値不安を払拭できていない。本日の日経平均株価は反発しているが、株価対策に具体性が欠如しており、昨日の日銀の社債購入の低調が示しているように、株価維持には米国と同様に政府保証を前提にした資金供給が迫られている。
ADP雇用者数(2月)はマイナス 69.7万人と統計開始以来,最悪の数字を記録しているが、明日の米雇用統計においても,失業率及び非農業部門雇用者数が予想以上の悪化が指摘されており、ドル上昇に対する戻り売りが優先される相場展開が予想される。
一方、本日はECBとBOEの政策金利発表が控えており、共に0.5%の利下げが織り込まれているが、利下げ競争に終止符が打たれる可能性が高いと思われるが、利下げ効果が株式及び経済効果には繋がらない背景があり、今後利下げ余地がない英国や日本は非伝統的な量的緩和に移行せざるを得ない状況である。
いずれにしても、米国経済の低迷が続く限りは、市場全般に防衛手段が働き、リスク回避の動きに歯止めがかからない状況であり、為替相場の乱高下を想定した上で戦略性を高めることが賢明であろう。
円安基調に弾みがついており、ドル円は100円台を意識させられる展開であるが、政治不信が先導している段階では円買いを自重せざるを得ない。
他方、輸出先物予約が99円台からは散見されており、加速的な円売り環境ではないだけに、99円台半ば以上からの円売りは控えることを勧める。戦略的には98.50〜99.80円のレンジ幅で臨むことを勧める。
ユーロドルはECBの利下げ観測が浸透しており、ユーロ売りには繋がらないが、1.27台からはポジション解消売りと戻り売りが散見されるため、同レベルの売りと1.25台半ば前後の買いを勧める。