ドル円100円時期尚早?
1月の米中古住宅販売件数は前月比マイナス5.3%を記録、販売価格が急落しているにもかかわらず住宅在庫を消化できておらず、米住宅市場の一層の悪化が続いている。バーナンキFRB議長は下院で売れ残り物件が価格低下を加速させたと分析、早急な対応の必要性を説き、同時に銀行の不良資産の切り離しが重要と述べているが、日本のバブル崩壊と同様に出口が見つからないのが現状であろう。
いずれにしても住宅価格に歯止めがかからない限り、不良債権処理の進展は望めず、追加支援策が余儀なくされるが、他方、大規模な財政赤字の継続は不可能の述べ、そして、銀行国有化には難色を示しているが、ゼロ金利政策下にあるFRBとしては手の打ちようがない状況とも解釈できるが、世界同時
不況の中でオバマ大統領指揮官の下に結束力を強め、米国の強さを主張し、強いドルの国益性を唱え続けなければならないジレンマがあることは疑いのないところだろう。
にもかかわらず、昨日の為替市場はドルの全面高の様相を見せているが、それ以上に、日欧経済の落ち込みが指摘されており、英国に至っては追加利下げと同時に、ブランチフラワー英中銀委員はデフレリスク、09年に失業率は10%台へ達すると述べ、そして、バーカー英中銀委員も年末まで成長は望めず、ポンド安が英経済に好影響を与えると発言、その後にポンドが急落、ユーロ売りとスイス売りに繋がっているが、本日はキング英中銀総裁議会証言とトリシェECB総裁講演が予定されており、来週にはBOE政策金利や注目のECB政策金利発表が控えているため、追加利下げが視野にある以上、欧州通貨の軟調が予想される。
一方、海外勢からは日本経済の景気後退が矢面になっており、円安基調が浸透しており、早くもドル円100円への期待感が膨らんでいるが、同時にドルの過大評価に繋がり、円売りを強行できない側面がある。戦略的にはドル円ロングを基準として、96円台半ばからの買いを勧めると同時に、一つのターニングポイントとして98円前後の売りを勧める。ユーロドルに関しても、下値を探る状況であるが、ユーロドル1.27割れからはポジション調整買いが散見されており、ユーロ売りが加速する状況ではないだろう。1.2650割れからの押し目買いと1.28台からの売りを勧める。