円売り一巡、95円前後ショートに妙味有?
NYダウが大きな節目である7,500ドルを下回り、2002年10月以来の低水準まで反落している。金融株主体に株式市場の動向が危ぶまれているが、金融不安が増幅する中、クレジットカードの債務不履行が急増しており、一部では米銀行(シティ、バンカメ)の国有化が浮上している。同時に、雇用情勢の悪化が顕著であり、失業率10%台の見解も少なくない。オバマ政権が打ち出した住宅差し押さえ効果は住宅価格の急落が厳しく、早くも恩恵を受けられる人は限定的であると報じられており、実効性には乏しいと見られている。
円安が加速しているが、米経済の状況を見る限りはドル円95円前後が大きな節目となるは公算が高く、94円台半ば以上のロングは控えることが賢明であろう。
昨日の米経済指標は2月フィラデルフィア連銀景況指数が+0.4%と予想を上回っているが、1月景気先行指数は−41.3と1990年来の低水準を記録しているように米経済の回復の兆しは一向に見られていない以上、ドル買いの流れに一服感が生じることは否めず、現状からのドルロングは控えて臨むことを勧める。
ただし、損失確定買いが94円割れでは散見されており、同時に、ストップ狙いとオプショントリガーが95円で見込まれるため、安全を期すならば、95円からのショートと95.20〜30のストップロス買いを併用して臨むことが一考である。
補足的になるが、本チャート上おいては、ドル円94円台半ばが清算ポイントにあり、円安の頭打ちが考えられるだけに、現状では円売りを控えて、93円割れからの買いと94円台半ば以上の売りで臨むことを勧める。
ユーロドルに関しても不安要素が山積しており、買い材料は皆無に等しい状態が続いているが、ユーロ圏側の要人発言からは景気対策を辞さない構えが表面化しており、ユーロドルの下値は限定的と判断し、ユーロドル1.26割れの買い
と1.28台の売りで様子見が正解であろう。
いずれにしても、日米欧の経済指標の悪化は避けられず、日々猫の目のように変貌する相場展開が今後も予想されるだけに、ある適度のボックス圏相場の中で戦略性を高めるしか妙策はないだろう。
ドル円ならば92.50~95円のレンジ幅を想定し、少なめのポジションで50ポイント刻みの売買に徹して、臨機応変に対処することが賢明であろう。