本日はユーロ下げ相場>明日はドル下げ相場?
市場は今晩のBOEとECB理事会を不安視すると同時に、明日発表の米雇用統計の悪化を見込みながら、相対的に為替相場は暗中模索の中、試行錯誤の繰り返しである。NY市場ではISM非製造業景況指数が予想(39.0)を大幅に上回る結果を受けNY株式相場は上昇に転じ、ドルも一時的に急伸したが、NY時間終盤に金融ファクターを中心に下げ足を速めており、NYダウは結果的に8000ドル割れの状況を見せている。依然として、不透明な世界経済不安を背景として、株式市場全般に焦燥感さえ覚える状況である。
欧州市場では格付会社フィッチが ロシアの外貨建ておよび自国通貨建ての長期発行体デフォルト格付を引き下げ、同時に、長期格付けの見通しをネガティブする可能性を報じられており、繋がりの深い東欧圏への影響を危惧したユーロ売りが先行している。米国でも明日の雇用統計を控えて、ドル売り材料には事を欠かない状況であり、また、オバマ新大統領が景気対策法案は完璧であると必要はないと言及しており、難航が予想される共和党への歩み寄りの一環であろうが、ドルの急落を想定したポジショニングを一考すべきであろう。
今晩のBOE政策金利は0.5%利下げが確実視されており、ポンドに対する影響は限定的であろうが、他方、ECB政策金利は据え置きが大勢ではあるが、ユーロ金利の2%割れには一部否定的な見解があるようだが、ユーロ圏以外の相次ぐ利下げもあり、たとえ今回据え置き金利が決定されたとしても、次回3月ECB理事会では大幅な利下げ(1%)余地を残すだけに、総じて、トリシェECB総裁の記者会見がネガティブな内容になる可能性が予想される。現状ではユーロドル回避の動きが優先、ユーロドルの重石になっている状況であるが、ユーロドル1.27台半ば割れの買いと1.3000前後の売りで方、戦略的にはメリハリに欠ける相場展開であるが、一触即発とも空白状態とも言える段階であり、ポジション縮小を前提にして、大きな動きが生じてからの始動に徹することが賢明であろう。
補足的になるが、現状では為替相場のみならず、商品相場全体にもリスク回避売りの状況が続いているが、為替相場の不均衡性と同時に相関性を重視するならば、下値リスクが限定的とも言えるだろう。言葉を変えれば、現状の為替レベルからは自己防衛本能が働きやすい局面でもあり、同時に各当局の介入が視野にあり、過度な円高やユーロ安期待は控えたい水準で推移していると解釈できる。相対的には現状からのショートポジションよりも押し目買いに妙味が生じても不思議ではないが、安全を期す意味では、もう一段の下落を見てからの始動に専念することを勧める