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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円高加速中!円高赤信号!日本経済正念場?

先週末の米第4四半期GDPの数字は依然として実体経済にとっては低水位準ではあるが、事前予想を上回ったことにより、ドル優勢の流れを引き継いでいる。今週は注目のECB政策金利が発表されるが、前回の利下げ後に3月までは金利情勢を見守る方向を示していたが、ユーロ経済の悪化が加速状態にあり、5日のECB理事会において、0.5〜1%の利下げ観測が急浮上したことでユーロドルに上値の重さが生じおり、1.28台ではポジション解消売りが先行している状況である。そして、明日の豪準備銀行政策金利と5日の英国政策金利にも利下げが織り込まれているため、市場心理としてはリスク回避に伴うドル買いと円買いの構想を見せている。反面、日米のゼロ金利政策には利下げ余地がない以上、過度なドル買い及び円買いにも黄信号が灯っていることは否めないだろう。
視点を変えれば、主要国の利下げ志向は並列状態にあり、金利面における売買志向は減退状態でもあり、相場の上下動が限定的になりつつある。
本日も株安の影響を受けて円高傾向にはあるが、海外勢からもグローバルな円高に対して、日本経済の後退観測が更に強まっており、日銀の単独介入の可能性を報じている。ドル円90円前後であれば本邦輸出企業は持ちこたえられるが、他方、欧州通貨安やアジア通貨安の進捗状況が懸念されており、日本経済が正念場を迎えているとも言えるだろう。
いずれにしても、各国の金融緩和政策が最終局面にあるだけに、英欧豪の利下げ後には円高余地が乏しくなる可能性がある。過度な円買いに注視して臨むことが賢明であり、ドル円を含めて、クロス円全般に押し目買いの妙味が生じている。


今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2009年2月01日(日)

ドル円とユーロから見る米ドル自体の強弱関係が急速に縮小しており、ドルには強い売買シグナルが発生していない。週足のチャート上では依然として、ドル買いが継続されているが、相対的に円高が各通貨に対して広範囲に拡大していることを表している。円相場はドル円のみならず、他の主要通貨に対しても円の過大評価の傾向が見られており、チャート上では先週に引き続き今週も過度な円期待に警戒感が強まっている。今週のレンジ幅としてはドル円88〜91円、そして、ユーロドルは1.2700〜1.3000の相場展開が予想される。
オセアニア通貨裁定取引に関しては、先々週と同じ乖離幅(11.50円前後)で推移しているが、円高が加速しているため、豪ドル売り/NZドル買いシグナルが点灯している。そして、欧州3大通貨はポンドの急回復によって、ユーロスイスは様子見を継続しているが、ポンドに買われすぎの傾向が見られており、ポンドのもう一段の上昇を待ってからユーロポンド買いとポンドスイス売りに妙味が生じている。
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ドル円 ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.000 現状乖離幅 −0.0971→−0.0873 ドル円89.95円
A)1÷ユーロドル1.2807=0.7808(B)100÷ユーロ円115.20=0.8681(A−B=−0.0873)
相対的に円高が先行しており、ユーロ円及びユーロドルが下限レベルで推移しているため、ドル円をサポートする相場展開が予想される。先週の強めの買いシグナル88.80円に続いて、今週は通常の買いシグナル89.95円が点灯している。週足でも先週に引き続き強い買いシグナルが点灯している。(売りターゲット93.00〜94.00)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅40円 現状乖離幅 26.50→25.25円
先週は様子見レベルの弱い買いシグナル1.2984が点灯していたが、今週も引き続き弱い買いシグナル1.2807が点灯している。大勢としては1.27前後からのロングに妙味が生じている。週足チャートでは完全に様子見レベルにあり、次の展開待ちの様相を見せている。
(売りターゲット1.3050〜1.3100)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅20円 現状乖離幅 30.75→32.80円
0.700台から下げ足を速めているが、先週の様子見0.6543から、今週は弱い買いシグナル0.6354が点灯している。利下げ観測が先行しており、もう一段の下げを待ってからのロングに妙味が生じている。
(売りターゲット0.6500〜0.6600)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅35円 現状乖離幅 41.65→44.25円
先週のポジション解消買い0.5310から、下落基調にあるが、今週は弱い買いシグナル0.5081が点灯している。豪ドルと同様に0.500前後からの押し目買いに妙味が生じている。(売り―ターゲット0.5300)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅10円 現状乖離幅 16.75→16.00円
徐々に落ち着きを取り戻しており、先週のポジション解消買い1.2325に続いて、今週も様子見1.2280が点灯している。(様子見)

▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅70円 現状乖離幅 33.80→46.70円
先週の強い買いシグナル1.3806から急上昇しているが、今週は早くもポジション解消売りに達しており、様子見1.4519が点灯している。尚、週足チャートでは弱い売りシグナルが点灯中であるが、1.400割れでは下限レベルに位置している。(様子見)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅10円 現状乖離幅 9.60→12.45円
1.070台から上昇を強めているが、先週のポジション解消売り1.1555からは大きな変化は見られず、今週は弱い売りシグナル1.1606が点灯している。(買いターゲット1.1500)

▲オセアニア通貨裁定取引 
平均乖離幅15円 現状乖離幅 10.95→11.45円
先週の乖離幅10.95円からは弱冠乖離幅は拡大しているが、両通貨ともに円高が進行しており、前述したように豪ドル売り/NZドル買いが13円前後まで拡大すれば、リスクが限定的になりつつある。過去数カ月の週間ごとの推移は以下の通り。20.50→21.20→22.35→23.05→21.70→20.30→17.15→15.80→16.75→15.45→11.65→4.95→7.95→6.00→8.05→8.25→9.15→9.20→10.05→10.45→10.65→9.40→9.75→11.35→10.20→11.40→10.95→11.45円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円 
(目安*220円以下は円高⇔250円以上は円安)
2006年度平均260円、2007年度平均279円、2008度四半期毎の平均は263.04→266.95→269.80→221円(10月平均は229円。11月平均は220円。12月平均は213.89円)。2009年度1月第一週は219.85円、第二週は211.90、第3週は211.35円、先週は204.10円。今週は115.20+89.95=205.05円と円高としては高水準であり、200円前後では介入警戒域に達する可能性がある。

★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離25円 現状乖離幅 7.30→15.40円
急激なポンド安の影響から、先週は乖離幅が7.30円まで縮小して様子見0.9405が点灯していたが、今週は乖離幅が回復し、逆に買いシグナル0.8821が点灯している。(売りターゲット0.9200〜0.9300)

ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離55円 現状乖離幅 38.45→37.70円
先週のポジション解消売り1.5003から弱冠下落しているが、今週も引き続き様子見1.4865が点灯している。(様子見)

ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離80円  現状乖離幅 45.85→53.10円
先週の様子見1.6476から乖離幅が急拡大しており、今週は売りシグナル1.6852が点灯している。
(買いターゲット1.6300〜1.6400)

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ペットチャート

***************************★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めします。最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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