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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

売買の目安、米債券利回りに注目!

注目されたFOMCは金利据え置きと継続的な資金供給を基に景気回復を目指しているが、相対的には失望感も相交じり、市場は方向性を見極める状況には至っていない。
FRBは声明文で国債買い入れの用意があると前向き姿勢を見せ
ているが、サプライズ的な文言は控えており、具体案に関しては慎重姿勢を継続している。しかしながら、国債購入に言及したことで長期債利回りは上昇しており、同時に、バッドバンク設立(不良債権機構)構想がNY株式を押し上げている。
NY市場ではドル買い優勢で終了してはいるが、強い買い材料としては不安が残す状況であり、市場には依然として、実需の売りと利益確定売りが断続的に散見されているため、ドル円の上昇は限定的と思われるが、他方、日米の長期債利回り格差が拡大しており、ドル円92~93円までの上昇余地が残っているだろう。今後も売買の目安として、日米の長期債利回り格差に注視して臨むことは一考すべきであろう。
一方、早朝にNZ準備銀行(中央銀行)は政策金利を現行の5.00%から1.50%の大幅な利下げを実施し、短期金利が豪ドル金利を下回る異例なケースであり、NZドルは下げ基調を強めているが、クロス円自体には底値感が生じており、豪ドル円と共に押し目買いの好機とも言えるだろう。しかしながら、来週2月
3日には豪中銀の政策金利発表が控えており、NZドル金利との相対関係から現行の4.25%から、少なくとも1%以上の利下げが見込まれるため、一段の下げを見てからの押し目買いに妙味が生じるであろう。

オバマ大統領の景気対策案8,200億ドルが下院では可決しているが、上院での難航は必至であることも、ドル買い材料としては不満が残る状況であるが、最終的には世界経済が米経済の復活、そしてオバマ新政権に依存しなければならない状態を察すれば、当面、ドルショートを控えることが賢明であろう。
本日はFOMC直後でもあり、動意の乏しく、狭いレンジでの攻防が予想されるが、直近のレンジ幅を重視して、ドル円89円台半ばの買いと91円前後の売りで臨むことを勧める。ユーロドルは1.33前後の売りと1.3000割れの買いを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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