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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

クリスマスモード突入!ドル売り敢行できるか?

今週はクリスマス休暇をはさみ市場参加者の激減が生じるため、相対的に動きづらい展開が予想される。
日米のゼロ金利政策の実施により、市場は金利がらみのキャリートレードの様相も見せているが、欧州圏においても英国の大幅利下げに続いて、来年度にはユーロ金利の利下げが見込まれるだけに、世界的な金融緩和政策が避けられない状況である。今現在では質へ逃避として、債券市場への逃避が鮮明になっており、本邦国債利回りは1.2%、そして、米債は2%割れ目前まで低下しており、リスク回避の債券購入にならざるを得ない状況である。 
年度末に向けて、各当局の潤沢な資金供給は継続されているが、不振に悩む金融機関および機関投資家にとっては最も安全な手段と言われる短期借りと長期運用に視線が向けられているため、債券利回りの低下が余儀なくされている状況である。 近い将来には日本債1%、そして米債1.5%まで低下する可能性もあるだろう。
一方、ビッグスリーに関しては、米自動車2社に対し米性府が1.5兆円の救済措置を決定したことで一旦は落ち着きを見せているが、明年1月20日オバマ次期大統領の就任に託された形であり、当面、新大統領誕生まではドルの弱含みが予想されるが、反面、期待感も相混じり試行錯誤の展開にならざるを得ない状況である。
いずれにしても、今週は年度末の資金難も視野にあり、同時に、クリスマス休暇を意識しながら市場は閑散になるが不安定な相場展開に惑わされずに大きな動きが生じてからの始動に専念することが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年12月21日(日)
ビッグスリーの救済問題やFOMCのゼロ金利政策が実施に移されたたことで米ドルはポンドを除いて全面安の状況を見せている。本チャート上ではドルが過小評価されており、流れ的にはもう一段の下落の可能性を残しているが、相対的にドル売りを仕掛けにくい状況にある。
戦略的には押し目買いを推奨できるレベルでもあり、これからの日銀介入や欧州金利の下落余地を踏まえて、少なめからの押し目買いに妙味が生じている。
オセアニア通貨裁定取引においては、弱い豪ドルショート売り/NZドルロングから様子見レベルで推移しており、妙味にはかける状況である。欧州3大通貨は先週より通貨間の歪みが拡大しており、特にポンドの弱さが際立っている点に注意。しかしながら、ポンドは対ドルではニュートラルなレベルで推移しており、相対的にドル安とポンド安が同時進行
しているマーケットである。
HP新外為の森http://www.justmystage.com/home/kentish/
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▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.000 現状乖離幅 −0.0735→−0.0853⇒ドル円89.30円
A)1÷ユーロドル1.3904=0.7192(B)100÷ユーロ円124.30=0.8045
(A−B=−0.0853)
先週の買いシグナル91.05円から週半ばでは一時87台まで突入後は強い買いシグナルが点灯していたが、今週は引き続き通常の買いシグナル89.30が点灯している。尚、週足チャートでも買いシグナルゾーンにあり、現状レベルから押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット96.00〜97.00)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅40円 現状乖離幅 30.80→35.00円
先々週の様子見1.2726から上昇に転じており、先週は弱い売りシグナル1.3383から週半ばで一気に1.40台まで上昇し、強めの売りシグナルに転じていたが、今週は通常の売りシグナル1.3904が点灯している。
一方、週足チャートでは様子見状態から一転して売りシグナルが点灯しているが、1.40台への上昇を待ってから売りに妙味がある。
(買いターゲット1.3300〜1.3400)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅20円 現状乖離幅 35.25→28.50円
先週0.06467の様子見状態から、今週は久方ぶりに売りシグナル0.6809が点灯している。流れからは0.7000前後からのショートに妙味が生じている。(買いターゲット0.6300〜0.6400)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅35円 現状乖離幅 41.40→37.90円
先々週の買いシグナル0.5342から、先週は0.5453でポジション解消が発生したが、今週は弱めの売りシグナル0.5756が点灯している。豪ドルと同様に0.6000前後からの売りに妙味が生じている。
(買いターゲット0.5400〜0.5500)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅13円 現状乖離幅 18.15→16.05円
先々週の売りシグナル1.2695から、下げ足を速めている。先週の様子見1.2490から、今週は弱めの買いシグナル1.2191が点灯している。 目先としては1.20割れからのロングに妙味がある。
(売りシグナル1.2500〜1.2600)

▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅70円 現状乖離幅 45.15→43.95円
先週の様子見1.4959から、一時1.56前後の上昇時には売りシグナルが発生したが、今週は再び様子見1.4922が点灯している。
一方、週足チャートにおいても、様子見を継続しており、次の展開待ちの状況を見せている。(様子見)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅10円 現状乖離幅 13.65→16.70円
先々週の売りシグナル1.2194から、先週は下げ足を速め様子見1.1764が点灯したが、今週は買いシグナル1.1032が点灯している。
(売りシグナル1.1650〜1.1750)

▲オセアニア通貨裁定取引 
平均乖離幅15円 現状乖離幅 10.65→9.40円
先週は弱い豪ドル売り/NZドル買いシグナルが10.65円で点灯していたが、今週は乖離幅を若干縮小し、9.40円と再び様子見レベルに位置している。尚、週足チャートでも売買シグナルは点灯しておらず、様子見レベルに推移している。過去数カ月の週間ごとの推移は以下の通り。
18.15→20.50→21.20→22.35→23.05→21.70→20.30→17.70→17.30→17.15→15.80→16.75→16.70→15.45→11.65→4.95→7.95→6.00→8.05→8.25→9.15→9.20→10.05→10.45→10.65→9.40円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円 
(目安*230円以下は円高⇔250円以上は円安)
2006年度平均260円、2007年度上半期平均280円、下半期278円。
2008度四半期ごとの平均は263.04→266.95→269.80の円安局面。
10月平均は229円。11月平均は220円へと円高傾向に傾斜。
12月第1週は210.90円と直近の円高最高値213円を更新。先週は212.90円、そして、今週は124.30+89.30=213.60円。引き続き210円割れからの押し目買いに妙味が生じている。

★欧州3大通貨(ポンド弱し)
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離30円 現状乖離幅 14.35→8.95円
長らくこう着状態であったが、先々週の弱い売りシグナル0.8652から揚げ足を早めており、先週の売りシグナル0.8946から更に上昇しており、今週は強い売りシグナル0.9328が点灯している。
(買いターゲット0.8300)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離50円 現状乖離幅 44.45→43.35円
先週の強めの売りシグナルから1.5743、今週は弱い売りシグナル1.5355が点灯しているが、ほぼ様子見に近い状況である。
(買いターゲット1.5200〜1.5300)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
均乖離80円  現状乖離幅 58.80→52.30円
先々週の売りシグナル1.8652から下げ足を速め、先週は様子見1.7597が点灯していたが、今週は買いシグナル1.6461が点灯している。
(売りターゲット1.7700〜1.7800)

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★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めし
ています。最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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