取り巻く環境はドル売り → 売られすぎの兆候あり、深追い禁物?
●今週の見通し
先週は米自動車支援策が決裂したことで株価急落共に、ドル失望売りの様相を呈していたが、終盤にかけては政府主導の救済策の可能性を踏まえて、NY株式市場が反発し、ドルが盛り返している。 いずれにしても、相場展開が混沌としている中で年度末を迎えようとしており、益々難易度が高まる状況であることは間違いない。週明けには日銀短観が発表されるが、市場は悪化材料として多分に折り込みながら、19日の政策金利に注目度は高まるであろうが、利下げ余地が限られているだけに相場への影響は限定的であろう。 他方、米国金利においては利下げ圧力があり、少なくともFOMC は0.5%の利下げまたは0.75%までの利下げが余儀なくされているが、各国の金利政策が利下げ基調にあるだけに、市場へのインパクトは限られている。 米経済指標に関しても軒並み悪材料として見なされており、ドルに対する風当たりは相当厳しいものになるであろう。そして、16日と17日にはゴールドマンサックスとモルガンスタンレーの決算発表が控えており、あらゆる角度から判断しても、米実体経済に対する評価は厳しさを増すことは必至であり、ドルの上昇余地は限られているのが現状であろう。
しかしながら、これだけの悪材料を連日のように噴出しながら、株式市場には底打ち感とも思われるほどの反発現象を繰り返しており、一言で言えば、オバマ新政権に対す期待感が弱冠先行している嫌いがある。安易なドル売り戦略
は控えたい局面ではある。
今週はクリスマス休暇を睨んで市場は閑散模様になるはずであるが、今年に限っては金融不安に伴う流動性資金が欠如しており、駆け込み的な売買が仕掛けられる可能性は高く、日銀の単独介入も含めて、例年とは異なる相場展開を見越し、ポジションの縮小に努めることが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年12月14日(日)
急激な円高作用とドル安により、先週のドル売り要素が半減しており、今週はドル円とユーロドルにドル買いシグナルが発生している。他の主要通貨に関してはニュートラルなナレベルまで回復しており、総じて様子見段階に突入している。本チャート上ではドル円が90円割れからは強い買いシグナルに転じており、円高懸念に直面しているため、少なめからの押し目買いに妙味が生じている。ユーロドルに関しては、1.34台では強めの売りシグナルが生じているが、週足チャートでは弱めの売りシグナルが発生しており、現状の流れからは、1.35前後が目先の売りのターゲットに相当する。他方、オセアニア通貨裁定取引においては、乖離幅自体には変化が見られず、未だに、弱い豪ドルショート/NZドルロングであり、先週と同様に12〜13円前後に乖離幅が拡大してから始動が賢明であろう。そして、欧州3大通貨間の比較ではユーロドルの一段の上昇があり、買われすぎの傾向を見せている。
HP新外為の森:http://www.justmystage.com/home/kentish/
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.000 現状乖離幅 −0.0609→−0.0735⇒ドル円91.05円
A)1÷ユーロドル1.3383=0.7472(B)100÷ユーロ円121.85=0.8207
(A−B=−0.0735)
先週は92円台に突入し、弱い買いシグナルが点灯していたが、一時90円割れでは強い買いシグナルが発生するまでに至っている。今週は引き続き通常の買いシグナル91.05円が点灯している。尚、週足チャートでは買いゾーンにあり、現状レベルから押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット96.00〜97.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅38円 現状乖離幅 25.30→30.80円
先々週までの1.26前後の買いシグナルから、先週は1.2726で様子見状態であったが、今週は一転して売りシグナル1.3383が点灯している。しかしながら、弱い売りシグナルの段階でもあり、1.3400台に乗せてからのショートに売り妙味が生じる。一方、週足チャートでは様子見からユーロ売りゾーンに突入しているが、順張りの流れを継続しており、もう一段の上昇を待ってからの始動を考慮すべきであろう。
(買いターゲット1.3200)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅20円 現状乖離幅 32.75→35.25円
乖離幅は拡大傾向にあるが、先週の様子見0.6467に引き続き、今週も様子見0.6322が点灯している。(様子見)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅35円 現状乖離幅 43.20→41.40円
先週の買いシグナル0.5342から0.55前後では売りシグナルが発生しているが、今週は0.5432で様子見が点灯している。(様子見)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅13円 現状乖離幅 19.70→18.15円
先週の売りシグナル1.2695から、今週は1.25前後でポジション解消買いとなり、現状では1.2490で様子見が点灯している。(様子見)
▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅70円 現状乖離幅 43.70→45.15円
先週の買いシグナル1.4709から上昇に転じており、1.5000台ではポジション解消売りが生じたが、今週は1.4959で様子見が点灯している。
一方、週足チャートにおいても、様子見状態にあり、次の展開待ちの様相を見せている。(様子見)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅10円 現状乖離幅 16.70→13.65円
先週の売りシグナル1.2194から、下げ足を速めており、途中経過1.75前後ではポジション解消買いが生じたが、今週は1.1764で様子見が点灯している。(様子見)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅15円 現状乖離幅 10.45→10.65円
先週の乖離幅10.45円から変わらず、今週も乖離幅10.65円で推移しており、弱い豪ドル売り/NZドル買いが点灯している。尚、週足チャートでは売買シグナルは点灯していない。過去数カ月の週間ごとの推移は以下の通り。17.95→18.15→20.50→21.20→22.35→23.05→21.70→20.30→17.70→17.30→17.15→15.80→16.75→16.70→15.45→11.65→4.95→7.95→6.00→8.05→8.25→9.15→9.20→10.05→10.45→10.65円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
(目安*230円以下は円高⇔250円以上は円安)
2006年度平均260円、2007年度上半期平均280円、下半期278円。
2008度四半期ごとの平均は263.04→266.95→269.80の円安局面。
10月平均は229円。11月平均は220円へと円高傾向にある。
先週は210.90円と直近の円高最高値213円を更新。今週は121.85+91.05=212.90円。 210円割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★欧州3大通貨(ポンド弱し)
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離30円 現状乖離幅 17.95→14.35円
先週の売りシグナル0.8652から上昇しており、今週は強い売りシグナル0.8946が点灯している。(買いターゲット0.8300)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離50円 現状乖離幅 42.00→44.45円
1.60台から強い売りシグナルから下げ足を速めていたが、先週の売りシグナルから1.5519から再び上昇に転じており、今週は強い売りシグナル1.5743が点灯している。(買いターゲット1.5050〜1.5100)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
均乖離80円 現状乖離幅 60.40→58.80円
先週の売りシグナル1.8652から下げ足を速めながら、1.75前後ではポジション解消の運びとなり、今週は1.7597で様子見が点灯している。
(様子見)
***************************★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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